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2020.07.29
おやすみベートーヴェン 第227夜【作曲家デビュー・傑作の森】
舞台劇《コリオラン》序曲——友人作の人気舞台劇のために作曲
友人作の人気舞台劇のために作曲 舞台劇《コリオラン》序曲
1807年の年初めは、友人の劇作家ハインリヒ・ヨーゼフ・フォン・コリン(1771〜1811)の舞台劇《コリオラン》のための序曲作品62の作曲に集中していたようだ。ローマの英雄コリオラヌスの悲劇を描いたこの劇は、1802年11月の初演当時から大人気を博し、何年も再上演されていた。
(中略)
ベートーヴェンは舞台劇《コリオラン》が付随音楽もなしに上演されていたため、この劇の序曲を書こうと思い立ったようだ。結果的にコリンに献呈されることになるのだが、作曲の契機は、コリンからの依頼があったのか、英雄コリオラヌスの悲劇に共感したベートーヴェンが自主的に作曲したのかはわからない。しかし、この「ハ短調」序曲は単に舞台劇の付随序曲としてだけではなく、作曲直後からの単独の演奏会用序曲としても演奏されていたようだ。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)93、94ページより
冒頭から、迫力があるシリアスなサウンドで始まります。当時序曲に続いて上演されていた舞台劇《コリオラン》の、悲劇的な物語を想像させるかのようです。印象的な始まり方のこの作品が、さまざまな演奏会用の序曲として使用されていたのも納得ですね。
作品紹介
「舞台劇(悲劇)《コリオラン》」Op.62
作曲年代:1807年1月(ベートーヴェン36歳)
初演:1807年3月
出版:1808年1月
H.コリン原作の舞台劇、序曲のみ作曲
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
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