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2020.08.17
おやすみベートーヴェン 第246夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「6つの変奏曲(トルコ行進曲変奏曲)」——有名なタイトルは後付け

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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有名なタイトルは後付け「6つの変奏曲(トルコ行進曲変奏曲)」

この音楽を聴くと、ベートーヴェン研究者でさえも、つい《トルコ行進曲》の変奏曲と言ってしまう。でも、このピアノ曲は1809年の9月から10月にかけて作曲し、1810年8月にロンドンのクレメンティ社、11月にライプツィヒのブライトコップフ&ヘルテル社から初版出版されたときには、単に《ピアノフォルテのための主題と変奏》(ロンドン版)、《ピアノフォルテ変奏曲》(ライプツィヒ版)とだけ表題されている。

ベートーヴェンはこの主題を、1811年8月末から9月半ばまでのあいだに、ペスト(現在のハンガリー)に建造されたドイツ劇場開幕杮落し公演のために作曲した祝典音楽《アテネの廃墟》の第4曲としてオーケストラ編曲。このとき初めて、《マルチァ・アラ・トゥルカ(トルコ風行進曲)》と表記したのだ。

19世紀ピアノの変奏曲の出版譜にはどこにも《トルコ行進曲主題による》などという付記はない。まさに《プロメテウス変奏曲》Op.35が、2年後完成の《エロイカ》交響曲の主題による変奏曲であるかのように誤って《エロイカ変奏曲》と呼ばれるのと同じケースだ。

解説: 平野昭

印象的なメロディで、ベートーヴェン作品の中でも、抜群の知名度をもつ作品です。初めてこのメロディに《トルコ行進曲》という名前がつけられた、オーケストラ版の初演はハンガリー。トルコ風という言葉には、ウィーンからみて「ハンガリーより東側」というイメージがあったようなので、ベートーヴェンもそこを意識しての命名だったのでしょうか。

作品紹介

「6つの変奏曲(トルコ行進曲変奏曲)」Op.76

作曲年代:1809年(ベートーヴェン38歳)

出版:1810年 10月

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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