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2020.09.07
おやすみベートーヴェン 第267夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「交響曲第7番 イ長調 第3楽章」——インフレが原因で一度は初演が頓挫

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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インフレが原因で一度は初演が頓挫「交響曲第7番 イ長調 第3楽章」

4日連続でご紹介している「交響曲 第7番」。昨日の初演のエピソード以前に、実はこの作品は一度、公開初演の機会が頓挫しています。

1812年の平価切り下げの影響で、異常なインフレ状態が続いていた1813年。ベートーヴェンも貴族からの年金が滞り、病気の弟カール一家への援助も相まって、金銭的に苦しんでいました。そこで1813年4月、自作の新作を交響曲2曲(第7番と第8番)の初演を含むコンサートを計画するのですが……。

2曲の交響曲は公開演奏を目指してルドルフ大公の邸宅で練習と試演も済ませていた。4月にウィーン大学講堂をはじめとするいくつかの劇場に受益コンサート開催計画書と使用申請を出していたが、どこからも許諾されず、コンサートの計画は流れてしまい、パート譜作成費の多大な出費だけが残った。ベートーヴェン作品の人気が落ちたからではなく、異常なインフレーションで演奏会の開催が難しくなっていたからである。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)136ページより

結局、初演はこの年の12月まで持ち越されることになります。溢れる創作意欲と、金銭的な不安。ベートーヴェンはどんな気持ちで日々を過ごしていたのでしょうか。

作品紹介

「交響曲 第7番 イ長調」Op.92

作曲年代:1811年11月〜12年5月(ベートーヴェン40〜41歳)

出版:1816年11月S.Aシュタイナー社(ウィーン)

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)

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