ベートーヴェンが劇音楽を付けたゲーテの戯曲『エグモント』〜魅力的な英雄の主張とは
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
1814年のウィーンは各国からの公人を招いた「ウィーン会議」に湧いていました。この祝典気分は1815年の春まで続き、大小さまざまなレセプション、舞踏会が開かれました。
1月25日にはバーデン公女であったロシア皇妃エリーザベト・アレクセーイェヴナ(1779-1826)の誕生パーティが王宮で開かれ、騎士の間での演奏会にベートーヴェンも招かれた。年末に仕上げていたピアノ独奏のための《ポロネーズ》作品89をベートーヴェンはこの数日前にロシア皇妃に献呈していたのである。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)148ページより
この誕生日パーティではベートーヴェンのほかの作品も披露され、来賓の王侯貴族からの喝采を浴びたそうです。皇妃への贈り物にふさわしい、華やかなピアノ曲をどうぞ。
「ポロネーズ ハ長調」
作曲年代:1814年(ベートーヴェン44歳)
出版:1815年