プレイリスト
2020.10.03
おやすみベートーヴェン 第293夜【不滅の恋人との別れ】

《悲歌》——墓碑銘のための詩に曲付けされた弦楽オーケストラ伴奏による混声四部合唱

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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墓碑銘のための詩に曲付けされた弦楽オーケストラ伴奏による混声四部合唱 《悲歌》

1814年の8月から9月にかけてスケッチされ、おそらくこの直後に完成させた《悲歌》は、弦楽オーケストラ伴奏による混声四部合唱作品。

 

穏やかに、ソフトに、ホ長調、4分の3拍子。弦楽合奏(あるいは弦楽四重奏)による20小節の前奏のあとに歌となる。

 

君は穏やかに、生きてきたときと同じように人生を完結させた。嘆くにはあまりに聖すぎる! 誰の目にも涙はない、天の霊が故郷に戻るのだから。誰の目にも涙はない」作詞者不詳のこの詞は、おそらくベートーヴェンの友人でピアノを弾き、作曲も嗜む家主でもあったヨハン・バプティスト・パスクヮラーティ男爵(1777〜1830年)の夫人エレオノーレ(1787~1811年)の死後に墓碑銘として作られたと考えられている。それを3年目の命日を迎えるときに、ベートーヴェンが曲付けしたもの。

 

出版は1827年8月。ということはベートーヴェン死後5か月ほど経てから、ウィーンのハスリンガー社から初版出版され、パスクヮラ―ティ男爵に献呈された。初版譜ではピアノ伴奏版も同時出版。

解説:平野昭

墓碑銘とは、墓碑に刻む文章のことです。弦楽器の伴奏によって、悲しみを静かに表す詩がよりいっそう際立っていますね。死を悼んでこのような美しいと合唱曲が作られ、エレオノーレ夫人もきっと天国で喜んでいたことでしょう。

作品紹介

《悲歌》Op.118

作曲年代:1814年(ベートーヴェン44歳)

出版:1827年

ONTOMO編集部
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