2020.10.20
おやすみベートーヴェン 第310夜【不滅の恋人との別れ】
「2つのカノン」——故郷へ帰る友人に贈られた謎カノン《沈黙》と三声カノン《雄弁》
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
故郷へ帰る友人に贈られた謎カノン《沈黙》と三声カノン《雄弁》 「2つのカノン」
また、この年(1816年)はベートーヴェンの周囲にいた親しい友人たちが相次いでウィーンを離れるという残念なことも重なっている。ロンドンに帰国するというニートのために「2つのカノン」WoO168を1月24日にプレゼントしている。謎カノン《沈黙》と三声カノン《雄弁》がそれだ。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)152ページより
このカノンが贈られたニート・チャールズ(1784〜1877年)は、ロンドン出身のピアニスト、作曲家。1815〜16年にウィーンを訪れ、ベートーヴェンと親交を深めました。
ベートーヴェンが作曲したカノンについては、「ベートーヴェンと冗談」で紹介しています。
また、カノンの種類について詳しくは、「カノン:語源はギリシア語の「葦」。バッハがルールに則って作曲した5種類!」を読んでみてください。
作品紹介
「2つのカノン」WoO168
作曲年代:1816年(ベートーヴェン46歳)
謎カノン《沈黙》と三声カノン《雄弁》の2曲。
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
おやすみベートーヴェン
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