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2020.12.07
おやすみベートーヴェン 第358夜【最後の10年】

「弦楽四重奏第15番 イ短調」第4、5楽章——公開初演は大好評! ウィーン楽友協会の名誉会員に

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

48歳となったベートーヴェン。作品数自体は、これまでのハイペースが嘘のように少なくなります。しかし、そこに並ぶのは各ジャンルの最高峰と呼ばれる作品ばかり。楽聖の「最後の10年」とは、どんなものだったのでしょう。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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公開初演は大好評! ウィーン楽友協会の名誉会員に「弦楽四重奏第15番 イ短調」第4、5楽章

「イ短調」作品132の完成から約1ヶ月。出版交渉の話が進み、演奏する機会も多く生まれました。

9月4日にパリの出版商のモーリス・シュレジンガー(1798〜1871)がバーデンを訪れ、弦楽四重奏曲の出版契約を結ぶ。5日後の9日にベートーヴェンはウィーンに出てシュレジンガーと、折しもウィーンを訪れていたロンドンのジョージ・スマート卿を招待し、またチェルニーやピアノ製作家コンラート・グラーフ(1782〜1851)らも同席してレストランで私的な演奏会を開き、シュパンツィヒ四重奏団による新作2曲の弦楽四重奏曲の演奏を楽しんだ。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)192ページより

11月6日に「赤いハリネズミ館」でチェリストのリンケ主宰のコンサートが開かれ、シュパンツィヒ弦楽四重奏団によって「イ短調」四重奏曲作品132が公開初演された。この演奏会が大変好評であったため、シュパンツィヒはベートーヴェンにに断って同月20日にも再演して聴衆の喝采を浴びている。こうした素晴らしい弦楽四重奏曲の演奏会が続き、ウィーン楽友協会は満場一致でベートーヴェンを名誉会員に推挙している。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)193ページより

「赤いハリネズミ館」というホテルで行なわれた公開初演は大好評。シュパンツィヒはみずから再演を申し込んだとのことなので、聴衆だけでなく演奏者も魅了した作品だったのでしょう。

作品紹介

「弦楽四重奏第15番 イ短調」Op.132

作曲年代:1825年初春〜8月初旬

初演:1825年9月9日

出版:1827年9月シュレジンガー社(ベルリン、パリ)

シュパンツィヒ四重奏団により初演される。9月が試演、11月6日に公開初演。

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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