ポーランド民謡による大幻想曲 イ長調 op.13――ポーランドでの告別演奏会で披露
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ポーランド民謡による大幻想曲 イ長調 op.13
このピアノとオーケストラのための作品は学生時代の1828年に完成され、1830年にショパンがポーランドからウィーンに旅立つにあたって行なわれた告別演奏会で演奏されました。
祖国の人々に別れを告げる演奏会を開いたのは10月11日だった。曲目は《ピアノ協奏曲》ホ短調、《ポーランド民謡による大幻想曲》など(中略)
満員の聴衆は《ポーランド民謡による大幻想曲》の終曲クラコヴィアクに熱狂し、アンコールをと叫んだという。ショパンは満足した様子で、これほどオーケストラとうまく呼吸があったことはないとティトゥスに書いている。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)41ページより
ポーランド民謡「すでに月は沈みぬ」、ショパンより一世代前のポーランド作曲家で民俗音楽収集家としても名を馳せたカロル・クルピンスキのメロディ、マズルカの一種クヤヴィアクのリズムを盛り込んだ、ポーランド色の強いピアノ協奏曲になっています。
出版にあたって作品は、当時パリでもっとも活躍していたピアニストのひとりで、作曲家だったドイツ人ヨハン・ペーター・ピクシスに献呈されています。ピクシスは、リストが中心となって同時代の人気ピアニストの合作として作られた《へクサメロン変奏曲》の作曲家としてショパン、チェルニー、タールベルクとともに名を連ねています。
5つのマズルカ op.7
作曲年代:1828(ショパン18歳)
出版:1834年
献呈:Johann Peter Pixis
マンハイム出身で、ベートーヴェンとも交流を持ち、ショパンがパリに移住した1830年代には最も成功したピアニストと見なされていた。
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