2023.03.01
ただいまショパン第65回
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
チェロ・ソナタ Op.65
《チェロ・ソナタ》ト短調・作品56は1846年に完成され、たいせつな友人のチェロ奏者フランコムに贈った。(中略)このころのショパンが健康の不安を抱えながら、芸術的にはチェロとともにあらたな芸術領域に到着していることを感じさせる。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)217-218ページより
ショパンの生前、最後に出版されたのは奇しくも、彼の作品の大部分を占めるピアノ曲ではなく、チェロとピアノのために書かれたこの「ソナタ」でした。
献呈を受けたチェロ奏者オーギュスト・フランコムとショパンが知り合ったのは、パリに定住した直後のこと。共演や合作なども行ないながら、2人の友情はショパンの死まで続きます(ショパンの最後の手紙は、フランコムに宛てたものでした)。
「チェロ・ソナタ」が出版された翌年の2月、ショパンはパリのサル・プレイエルで演奏会を行ないます。その曲目の中心となったのが「チェロ・ソナタ」で、共演はもちろんフランコムでした。300枚の高額チケットは売り切れ、第2回の演奏会も予定されていましたが、2月革命により中止となり、ショパンはイギリスに旅立ちます。
オーギュスト=ジョゼフ・フランコム(Auguste-Joseph Franchomme 1808-1884)
作品紹介
チェロ・ソナタ Op.65
作曲年代:1845~1847(ショパン35~37歳)
出版:1847年
献呈:オーギュスト=ジョゼフ・フランコム
ただいまショパン
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