ロンド 変ホ長調Op.16――レッスンや作曲に集中していたパリ時代の作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ロンド 変ホ長調Op.16
《ロンド》変ホ長調・作品16はパリ時代に入った1833年のものだ。悲しげな序奏のあとまもなくヴィルトゥオーゾ的な主題がはじまる。即興的な勢いのままクープレに入る。2つのクープレをはさんで主題は3回繰り返されるが、技巧的で演奏は難しい。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)210ページより
1833年、ショパンはレッスンとサロンでの音楽にその日々を費やした。演奏会といえば、ほかの音楽家のものにデュエットで参加するくらいだった。3月23日のヒラ―による慈善演奏会では当時の演奏会の慣例どおりにオーケストラ曲、声楽曲、フランコム作品のチェロ室内楽とさまざまな曲目が並んだ。そこでショパンはリスト、ヒラ―とともに3台のピアノによるバッハのコンチェルトを演奏した。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)71ページより
ロンドOp.16は、パリ生活が軌道に乗り、レッスンや作曲、友人の演奏会への出演、音楽家の友人たちとの交流など、充実した時間を過ごしていた時期に作曲されたのですね。ショパンは、リストやベルリオーズ、ヒラ―と仲良くしていたほか、イタリアからパリにやってきた作曲家ベッリーニとも意気投合したそう。パリでの交友関係の順調さがうかがえます。
ロンド 変ホ長調Op.16
作曲年代:1833年(ショパン23歳)
出版:1834年
献呈:Caroline Hartmann
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