2022.09.21
ただいまショパン第19回
ボレロ ハ長調 Op.19――流行の異国趣味を取り入れサロンで披露
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ボレロ ハ長調 Op.19
プラテル伯爵家のサロンで人気音楽家3人組だったリストとヒラーとショパンは、貴族たちのあいだに流行の異国趣味に合わせて、さまざまな題材の音楽を披露して自分たちも楽しんでいた。そのようななかでできたのがこの《ボレロ》である。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)212ページより
パリから到着したばかりのショパンを温かく迎えた家族、プラテル侯爵家。娘のパウリーナ・プラテルはショパンの最初の弟子であり、屋敷で毎週木曜日に開かれていたサロンはショパンをはじめ、ヒラー、リストらピアニストを迎えた「音楽の夕べ」でした。いつも温かく音楽家たちをもてなしたプラテル夫人は「ヒラーを友人に、リストを愛人に、ショパンを夫にできらたいいのに」と冗談めかして言ったといいます。
ラヴェル作曲のバレエ音楽で有名な「ボレロ」は、スペインを起源とする3拍子のダンス音楽。歌にギターとカスタネットという、いかにもスペイン風の編成で踊られるボレロは、19世紀ヨーロッパ中で愛されていたそうです。
作品紹介
4つのマズルカ Op.17
作曲年代:33(ショパン23歳)
出版:1834年
献呈:Mme. la Comtesse Émilie de Flahault
ただいまショパン
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