プレイリスト
2022.11.09
ただいまショパン第33回

4つのマズルカ Op.33――愛の力? 明るく軽快な作品

ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

イラスト:本間ちひろ

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4つのマズルカ Op.33

《マズルカ》作品33も4曲で、サンドを愛すようになった1838年に作曲された。そのおかげか、この作品はシューマンが言うように気分は明るく軽快だ。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)184ページより

出会いから約2年、1838年初夏にショパンとサンドは結ばれます。共通の友人であり、ショパンとは芸術を語り合う仲であった画家ウジェーヌ・ドラクロワがこの頃、サン=ジェルマン・デ・プレのアトリエで、2人をキャンバスに留めています。

ドラクロワが1838年の半ばに描いたサンドとドラクロワの初期のスケッチ。

完成した絵画は発表されることなく、ドラクロワの死後アトリエで発見、分割されて競売にかけられました。現在もショパンの部分はルーヴル美術館が、サンドの部分はデンマークのオードロップゴー美術館が所蔵しています。

分割された2枚の絵を想像して1枚のカンバスに入れなおしてみると、2人の表情の意味がよりいっそう鮮明になる。ショパンは芸術をになう覇者として決然とした情熱を示し、いっぽうサンドは、憧れのショパンの音楽に身をゆだねて夢見ごごちだ。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)112ページより

そんな時期に作曲・出版された「4つのマズルカ」は、明るい気分に包まれた充実した作品です。ポーランドからの亡命貴族タデウス・モストフスキの娘、ロザリア・ローザ・モストフスカ伯爵令嬢に献呈されています。

切断された2枚の絵画を、仮説的に再構成した画像。
作品紹介

4つのマズルカ Op.33

作曲年代:1838年(ショパン28歳)

出版:1838年

献呈:(Rozalia)Róża Mostowska

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