記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
1841年、ノアンで過ごした夏は、ショパンの「傑作の森」とでも呼びたくなるような充実の仕事ぶりでした。6月から11月までの5ヶ月に生み出された主な作品は嬰へ短調の大ポロネーズ、バラード第3番、幻想曲、そしてこの2曲の夜想曲です。
その表現内容は奥深く豊かであり音響規模の大きさはどのノクターンにもまさる。作品48の2曲が作り出す音響世界はドラマティックで、その内容の充実には心をうばわれる。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)180ページより
ノクターン中もっとも長大で劇的な「ハ短調」、もの悲しい抒情が美しい「嬰へ短調」の2曲は、ショパンのお気に入りの生徒ロール・デュプレー嬢(後のエリザ・ペルッツィ侯爵夫人)に献呈されています。彼女はロシア出身の貴族で、ショパンが喜んで連弾をするなど実力を評価されたピアニストでした。
2つの夜想曲 Op.48
作曲年代:1841(ショパン31歳)
出版:1841年
献呈:Mlle. Laure Duperré