2023.01.06
ただいまショパン第50回
3つのマズルカ Op.50――1842、ノアンの客人たち
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
3つのマズルカ Op.50
「3つのマズルカ」は、1842年に作曲・出版されました。この年の初めに、幼いころのピアノの師ジヴニーの訃報をきき、そして同居したこともあったポーランド時代からの友人ヤン・マトゥシンスキを看取り、ショパンは大きな精神的打撃を受け、5月6日にノアンに向かいます。
そんなショパンを訪ねて、6月には親友のドラクロワがノアンにやってきて、芸術について話したりするうちに笑顔が戻りました。
ドラクロワが7月のはじめに帰ると、こんどはポーランドの詩人ヴィトフィツキが来た。ヴィトフィツキはショパンに、スラヴという巨大な宝庫、そこにある祖国のメロディをたいせつにして、ポーランドの国民的作曲家としてマズルカを作りつづけてほしいと、その強い願いを口にした。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)134ページより
ショパンはこの時、ヴィトフィツキへ2年前に作曲した「4つのマズルカ op.41」を献呈しています。op.50の詳しい作曲経緯はわかっていませんが、(《革命》のエチュードの作曲動機となった)11月蜂起に参加したレオン・シュミトゥコフスキに捧げられているところからみると、ヴィトフィツキとの対話から生まれた作品なのかもしれません。
作品紹介
3つのマズルカ Op.50
作曲年代:1842(ショパン32歳)
出版:1842年
献呈:レオン・シュミトゥコフスキ
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