チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
スケルツォという分野で、ショパンの最後の作品となった第4番は、1842年に作曲されました。
ショパンの手紙によると、1843年10月のある日、モシェレスの娘エミリーにレッスンした作品という。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)207ページより
当時最高の音楽家と称えられた大ピアニスト、イグナーツ・モシェレス。ショパンと連弾して意気投合するなど仲が良かったにしろ、大切な娘をレッスンに送りだすとは、ショパンへの厚い信頼が伺えます。
レッスンを受けた当時、エミリーはまだ15歳。スケルツォのほかに、ワルツやマズルカ、2つの練習曲集もレッスンしてもらったとのことですから、相当ハイ・レベルなピアニストだったのではないでしょうか。
作品は2人の弟子、ジャンヌ(自筆譜とドイツ版)とクロティルド(フランス版)のド・カラマン姉妹に献呈されています。
スケルツォ第4番 ホ長調
作曲年代:1842(ショパン32歳)
出版:1843年
献呈:シャルロット・ド・ロスチャイルド