
びわ湖ホールが阪哲朗芸術監督の任期延長を発表、注目の新シーズンラインナップ!

滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、2026年度の新シーズンラインナップ、および阪哲朗芸術監督の任期延長を発表。1月23日に行われた記者会見に、村田和彦(びわ湖ホール館長)、阪哲朗、村島美也子(びわ湖ホール総括プロデューサー)の各氏が登壇し、大規模改修による休館という転換期を前に、劇場の新たな挑戦が述べられた。

1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...
阪哲朗芸術監督の3年間任期延長
まず、阪哲朗芸術監督の3年間の任期延長(2029年3月末まで)について。
阪芸術監督は、芸術監督就任後初のプロデュースオペラであるR.シュトラウス《ばらの騎士》(2024年)で芸術選奨文部科学大臣賞 音楽部⾨ を受賞。その後も「びわ湖ピアノコンクール」の創設、コレペティトゥアの指導をふくめたオペラセミナーなど、数多くの成果を挙げてきた。村田館長は、阪芸術監督が指揮する公演の多くが完売するなど観客からの期待も高まっていると述べ、引き続き劇場の舵取りを託す意向を述べた。

これまで、ビール市立歌劇場(スイス・ベルン州)専属指揮者(1992~97年)、ブランデンブルク歌劇場専属第1指揮者(1997~98年)、ベルリン・コーミッシェ・オーパー専属指揮者(1998~02年)、アイゼナハ歌劇場(ドイツ・テューリンゲン州)音楽総監督(2005~09年)、山形交響楽団首席客演指揮者(2007~09年)、レーゲンスブルク歌劇場(ドイツ・バイエルン州)音楽総監督(2009~17年)を歴任。ベルリン・コーミッシェ・オーパーでは、約20演目170回余を指揮。
そのほか、シュトゥットガルト歌劇場、スイス・バーゼル歌劇場、びわ湖ホール、新国立劇場、二期会、日生劇場などで多くの作品を指揮。ドイツ国内はもとよりヨーロッパ各地で指揮した舞台作品数は約70演目、通算公演回数は1000回以上にのぼる。オーストリアのレッヒ音楽祭には毎年招かれている。
京都市出身。京都市立芸術大学作曲専修にて廣瀬量平氏らに師事。卒業後、ウィーン国立音楽大学指揮科にてK.エステルライヒャー、L.ハーガー、湯浅勇治の各氏に師事。1995年第44回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。1996年京都府文化賞奨励賞、1997年ABC国際音楽賞、2000年京都市芸術新人賞、第2回ホテルオークラ音楽賞、2004年第12回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、2006年第26回藤堂顕一郎音楽賞、2020年京都府文化賞功労賞、2024年第75回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
現在、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授を務め、東京藝術大学や国立音楽大学より特別招聘教授に招かれるなど、後進の指導にも取り組んでいる。現在、山形交響楽団常任指揮者(2019年~)、びわ湖ホール芸術監督(2023年~)を務めている。
©Florian Hammerich
プロデュースオペラは《ドン・ジョヴァンニ》
びわ湖ホールは2026年7月から2028年2月まで、大規模改修工事に伴い全館休館となる。これに対し、阪芸術監督は「ピンチではなく、びわ湖ホールの機動力を生かしてさまざまな場所へ出向いていける機会」と語る。
2026年度シーズンは、そんな阪芸術監督の「劇場とは建物ではなく、そこに集う人と創造される芸術そのものである」という強い信念が反映された30事業170公演のラインナップが並べられた。
今年3月のプッチーニ《トゥーランドット》に続く「プロデュースオペラ」は、音響のよさで知られる滋賀県の守山市民ホールで、モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》をセミ・ステージ形式で上演(演出:中村敬一、2027 年1月 23 日・24 日)。阪芸術監督自らが指揮とフォルテピアノを務め、びわ湖ホールの大ホールとはひと味ちがう中規模の空間ならではのオペラを追求する。
日本唯一の公共ホール専属声楽家集団「びわ湖ホール声楽アンサンブル」は、通常年2回の定期公演を4回に拡充。高島、京都、草津など各地のホールを巡り、その実力を広く発信。
さらに声楽アンサンブルがキャストを務める「オペラへの招待」シリーズで、映画音楽で知られるニーノ・ロータ作曲のオペラ《フィレンツェの麦わら帽子》(2027年3月6・7日)が園田隆一郎指揮、中村敬一演出のタッグで新制作されるのも楽しみだ。
そのほか、びわ湖ホールがレパートリーとして上演し続ける林光作曲のオペラ《森は生きている》(新国立劇場 中劇場)や、「第1回びわ湖ピアノコンクール優勝者コンサート」(ザ・シンフォニーホール)、阪 哲朗オペラセミナーⅣ~『コジ・ファン・トゥッテ』(大阪音楽大学 ザ・カレッジ・オペラハウス)など、滋賀県外の都市圏での公演にも注目だ。
びわ湖の春 音楽祭2026~沖澤のどか指揮《フィガロの結婚》など豪華ラインナップ
休館前最後の大きな祭典となる「びわ湖の春 音楽祭2026」(4月25日・26日)も昨年よりも公演数を増加、豪華ラインナップが展開。
沖澤のどか指揮・京都市交響楽団によるモーツァルト《フィガロの結婚》抜粋や、バリトン歌手・甲斐栄一郎のリサイタル、地元の滋賀県高等学校合同合唱団共演や、津軽三味線世界大会優勝者の多田千尋(県内高校生)の出演など、世代を超えた多彩なプログラムを予定。
なお、2026年度シーズンラインナップと音楽祭のテーマは「誘い(いざない)」。これには《ドン・ジョヴァンニ》から連想される“誘惑”や、モーツァルトという作曲家の深淵、そして「面白いから劇場へおいで」などのメッセージが込められている。
阪芸術監督は、「非日常を全力で提供し、音楽を共有したあとになにかが変わるような体験をお客様に届けたい」と語る。
2028年の開館30周年&再開館に向けた、新たな取り組みの数々に期待が高まる。
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