短期連載:先輩&後輩指揮者ミーティング vol.2

指揮者の広上淳一と下野竜也の漫才トークでNG連発!? 若手指揮者に先輩から愛のあるメッセージ

レポート
2019.06.18

日本を代表する指揮者の下野竜也さんから、「実力もキャリアもあるけれど、披露の場がまだまだ少ない若手指揮者を音楽ファンに紹介したい!」と小社の看板雑誌「音楽の友」にご提案いただいた企画の第2回。ONTOMO編集部は連動して、実技を中心に動画でご紹介します。
今回も、広上淳一、下野竜也という日本を代表する先輩指揮者と、同僚たちが見守るなか、東京音楽大学のオーケストラを若手3名が指揮。それぞれの個性をとくとご覧ください!

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文・動画・メイン写真:編集部
本文中の写真:ヒダキトモコ
企画者
下野竜也 指揮者
下野竜也
企画者
下野竜也 指揮者
1969年生まれ、鹿児島県出身。鹿児島大学教育学部音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ。1996年イタリア・シエナのキジアーナ音楽院でオーケストラ指揮...

同僚たちの見守る中、どう采配するか!?

指揮者、下野竜也さんの発案で総勢10名の指揮者が集った「指揮者ミーティング」。若手指揮者7名は、すでにプロのオーケストラを指揮したり、副指揮者やアシスタントとして仕事をしているが、より多くの音楽ファンに応援してもらうきっかけになればと、先輩指揮者の高関健、広上淳一、下野竜也が動いた。

会場は、東京・池袋にある東京音楽大学。

第1回では、NHK交響楽団首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のアシスタント経験のある最年少参加者、熊倉優さん、北海道教育大学を卒業後に音楽への道を歩みはじめた横山奏さんが、ベートーヴェン「交響曲第1番」第1楽章を振った模様をお届けした。(NG集もお見逃しなきよう!)

そして今回、第2楽章に挑戦するのは、音楽への情熱を持ち続けてサラリーマンから転身した最年長の河上隆介さんと、下野さん曰く「現場が明るい雰囲気になるマエストラ」石﨑真弥奈さん。バイエルン州立歌劇場で研鑽を積んだ宮崎県出身の26歳、山脇幸人さんは第3楽章を振る。

同僚たちが見守るなか、「実は、5番以降の交響曲より難しい」と広上淳一さんに言わしめた第1番を、どう采配するのか!?

元会社員という異色の経歴をもつ河上隆介

河上隆介(かわかみ・りゅうすけ): 1974年生まれ、東京都出身。成城大学法学部を卒業後、会社勤務を経て、東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。指揮を広上淳一、三河正典、汐澤安彦、時任康文、小林研一郎の各氏に師事。2018年11月、ハンガリーのブダペストで行われた第2回アンタル・ドラティ国際指揮者コンクールにおいて、第2位および特別賞を受賞。これまでに仙台フィルハーモニー管弦楽団、サンアゼリアフィルハーモニカなどを指揮。東京音楽大学助教。好きな女優は松原智恵子と綾瀬はるか。

ニーノ・ロータ国際指揮者コンクールで優勝、石﨑真弥奈

石﨑真弥奈(いしざき・まやな): 1986年生まれ、東京都出身。東京音大および同大学院にて指揮を学ぶ。指揮を広上淳一、高関健、下野竜也、汐澤安彦、時任康文、三河正典の各氏に師事。2016年PMFのコンダクティング・アカデミーに選出され、アクセルロッド氏に師事。2011年度新日鉄住金文化財団指揮研究員。2012年「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」において入選、同時に聴衆賞を受賞。2017年「ニーノ・ロータ国際指揮者コンクール」でニーノ・ロータ賞(優勝)および聴衆賞を受賞。好きな俳優は堺雅人。

バイエルン州立歌劇場で研鑽を積んだ宮崎県出身、山脇幸人

山脇幸人(やまわき・ゆきと): 1992年生まれ、宮崎県出身。東京藝大指揮科を卒業後、バイエルン州立歌劇場で研修生としてキリル・ペトレンコ氏、ズービン・メータ氏などの下で1年間研鑽を積む。指揮を尾高忠明、下野竜也、山田和樹の各氏に師事。ロンドン・クラシカル・ソロイスツ指揮者コンクール第1位、第1回マスタリング・ヨーロピアン・マスターズ国際指揮者コンクール第2位、第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉ベスト8、第2回民音国際指揮者講習会ファイナリスト。延岡ロータリークラブより文化奨励賞受賞。好きな女優は高畑充希。

指揮&人生の先輩から伝えたい言葉

左/広上淳一(ひろかみ・じゅんいち):1958年生まれ、東京都出身。東京音大指揮科に学ぶ。1984年第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールに優勝し、国際的な活動を開始。近年では、ヴァンクーヴァー響、サンクトペテルブルク・フィル、ボルティモア響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ニュージーランド響等へ客演。国内では全国各地のオーケストラはもとより、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団からも招かれている。現在、京響常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー、札響友情客演指揮者。東京音楽大学指揮科教授。

右/下野竜也(しもの・たつや):1969年生まれ、鹿児島県出身。鹿児島大学教育学部音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ。1996年イタリア・シエナのキジアーナ音楽院でオーケストラ指揮のディプロマを取得。1997年大フィル初代指揮研究員として、数多くの巨匠の下で研鑽を積む。1999~2001年ウィーン国立演劇音楽大学に留学。2000年東京国際音楽コンクール<指揮>優勝と齋藤秀雄賞受賞、2001年ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝。現在、広島ウインドオーケストラ音楽監督、京響常任首席客演指揮者、広響音楽総監督、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授を務める。好きな女優は山下容莉枝。

人の価値というのは、すごく優秀であったり、求道することをみんな褒めるんだけれども、そこには名もない、何の能力もない、あるいは何の価値もないとみんなが思っているような人たちが、意外とすごくいいことをしているという考え方に、僕はだんだん変わってきました。

ブルーノ・ワルター先生がウィーン・フィルのよさとベルリン・フィルのよさのどこが違うかという話をした。どちらも褒めているの。ベルリン・フィルというのはみんなが一流の団員だからすごい音がする。ウィーン・フィルというのは、80%具合の悪い人がいるから、愛すべき音がする。どっちも褒めているんだよ。ここに深いヒントがあると思う。

——広上淳一

自分がいただいた言葉で、大阪フィル時代にとてもよくしてくださった団員の方が、「褒められたら素直に喜びなさい。そして、批評されたり、何か悪いことを言われたら、それを素直に受け取りなさい。評価は人がするから、自分はしなくていい」と言われたのがすごく残っています。

褒められたら「いえいえ」ではなくて「ありがとうございます」でいいんです。何か指摘されたら、それは聞きなさいと。

——下野竜也

そのほか、参加した若手指揮者たち

阿部未来(あべ・みらい): 1985年生まれ、秋田県出身。2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科器楽専攻(ピアノ)卒業。2009年東京音楽大学大学院科目等履修生作曲・指揮専攻(指揮)修了。2010年、アフィニス夏の音楽祭2010“山形”に指揮研究員として参加。その後2011年、ロータリー財団国際親善奨学生としてドイツ国立ドレスデン“カール・マリア・フォン・ウェーバー”音楽大学指揮科に留学。帰国後2015年4月から2019年3月まで、神奈川フィルハーモニー管弦楽団副指揮者を努める。好きな女優は吉高由里子。
沖澤のどか(おきさわ・のどか): 1987年生まれ、青森県出身。東京藝大指揮科を経て同大学院修士課程修了。現在ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンに在学中。第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第1位および特別賞、齋藤秀雄賞を受賞。第7回ルーマニア国際指揮者コンクールにて第3位受賞。2011~12年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員。これまでに指揮を田中良和、松尾葉子、高関健、尾高忠明、C.エーヴァルト、オペラ指揮をH.D.バウムの各氏に師事。井上道義、下野竜也、P.ヤルヴィ、N.ヤルヴィ、K.マズア、R.ムーティ各氏のマスタークラスを受講。好きな俳優は松重豊。
熊倉優(くまくら・まさる):1992年生まれ、東京都出身。桐朋学園大学卒業及び同研究科修了。指揮を梅田俊明氏、下野竜也氏に師事。第18回東京国際音楽コンクール<指揮>で第3位、第26回京都フランス音楽アカデミーにて最優秀賞(第1位)、第12回ドナウ国際指揮者コンクールで第2位受賞。2016年9月よりN響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のアシスタントを、同年11月より同団アシスタントとして定期公演等に携わる。これまでに広響、N響、九響、群響、東響、兵庫芸術文化センター管、都響等と共演。洗足学園音楽大学非常勤講師。好きな女優は比嘉愛未。
横山奏(よこやま・かなで):1984年生まれ、北海道出身。北海道教育大学札幌校卒業後、桐朋学園にて学び、東京藝術大学大学院修士課程を修了。2015年4月より2年間、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の指揮研究員を務めた。2017年WMC世界音楽コンクールにて第3位を受賞。第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第2位&聴衆賞を受賞。指揮をダグラス・ボストック、尾高忠明、高関健、中村隆夫、黒岩英臣の各氏に師事。好きな女優は鈴木京香と松下由樹。

次回は7月18日公開予定!

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