短期連載:先輩&後輩指揮者ミーティング vol.1

指揮者の下野竜也が企画! 若手注目株7名の指揮っぷりを披露し、仕事への思いを語る座談会

レポート
2019.05.18

日本を代表する指揮者の下野竜也さんから、小社の看板雑誌「音楽の友」に企画のご提案をいただいたとの情報を得たのが、平成30年12月のこと。「実力もキャリアもあるけれど、披露の場がまだまだ少ない若手指揮者を音楽ファンに紹介したい」という熱い要望を受け、音友&ONTOMOの編集部が連携して記事を制作することに。
高関健、広上淳一、下野竜也という日本を代表する先輩指揮者と、7名の後輩による、指揮者という職業をめぐる、前代未聞の座談会をとくとご覧あれ!

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写真:ヒダキトモコ
文・動画:編集部
企画者
下野竜也 指揮者
下野竜也
企画者
下野竜也 指揮者
1969年生まれ、鹿児島県出身。鹿児島大学教育学部音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ。1996年イタリア・シエナのキジアーナ音楽院でオーケストラ指揮...

指揮者の下野竜也さんによる企画を、老舗雑誌「音楽の友」とともに

平成30年某日、上野駅から程近いレトロな喫茶店で、指揮者の下野竜也さんと、音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」の編集者、ONTOMO編集部員の3名での打ち合わせが密やかに行なわれた。

ONTOMOは、「音友」Web版と勘違いされることも多いのだけれど、基本的には独立した編集方針をもつメディアだ。なので、月刊誌4誌の編集部とともに同じフロアにいながら、実は取材は別々、一緒に仕事をする機会は少ない。今回は下野さんから「音楽の友」にご提案いただいた座談会の企画で相乗りすることに。

その後、「音楽の友」編集部から渡された座談会当日の進行表はこちら。

当日の進行表。半日かけて座談会と指揮の実演を行なう計画。

企画は、日本を代表する先輩指揮者3名、高関健、広上淳一、下野竜也の各氏が、将来有望な若き後輩指揮者たちを紹介したい。そのために、東京音楽大学のオーケストラにご協力いただいて、指揮を振り、それぞれの音楽や人柄も披露できるようにしよう、というものだ。

若手指揮者たちは、阿部未来、石﨑真弥奈、沖澤のどか、河上隆介、熊倉 優、山脇幸人、横山 奏の総勢7名。すでに、コンクールで入賞していたり、仕事をもってキャリアを積みはじめている方々だ。「音楽の友」の6月号(5/18発売)、7月号(6/18発売)、8月号(7/18発売)に連載されるのと同時に、ONTOMOでも演奏動画を中心に紹介していく。

3人の先輩指揮者からのアドバイスを抜粋!

ここで、日頃から後進の教育に熱心な先輩3名からのアドバイスを、ひと言ずつ抜粋してご紹介。狭き門を突破し、世界中で活躍の場を得ている先輩たちからのエールは、音楽だけでなく、何事にも共通する!

左から高関健、下野竜也、広上淳一の各氏。

高関健(たかせき・けん)

チャンスをつかまえたなというときに、どこまで自分のよさを押し出せるかという、その方法論みたいなものは持っていてもいいのだろうなと思います

1955年生まれ、東京都出身。桐朋学園大学在学中の1977年にカラヤン指揮者コンクールジャパンで優勝。翌年同大卒業後、ベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーに留学、1985年までヘルベルト・フォン・カラヤンのアシスタントを務めた。現在、京響常任首席客演指揮者、東京シティ・フィル常任指揮者、仙台フィルレジデント・コンダクター、静岡交響楽団ミュージック・アドヴァイザー、群響名誉指揮者、東京藝術大学音楽学部指揮科教授 兼 藝大フィルハーモニア管首席指揮者を務める。

広上淳一(ひろかみ・じゅんいち)

どんな小さな仕事でも、まずていねいに裏切らないこと、それから、誠意を持つこと。これを10年続けると、いろんなところからオファーをいただくようになるよということを伝えておきたいです

1958年生まれ、東京都出身。東京音大指揮科に学ぶ。1984年第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールに優勝し、国際的な活動を開始。近年では、ヴァンクーヴァー響、サンクトペテルブルク・フィル、ボルティモア響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ニュージーランド響等へ客演。国内では全国各地のオーケストラはもとより、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団からも招かれている。現在、京響常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー、札響友情客演指揮者。東京音楽大学指揮科教授。

下野竜也(しもの・たつや)

私の大嫌いな、「勝ち組」、「負け組」という言葉があるけれど、何をもってキャリアが上、何をもってそうじゃないというような評価で流されないでほしいと思うし、若いころ一緒にやっていた方々を、いつもどこか大切に思っているほうがいいかなと思います

1969年生まれ、鹿児島県出身。鹿児島大学教育学部音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ。1996年イタリア・シエナのキジアーナ音楽院でオーケストラ指揮のディプロマを取得。1997年大フィル初代指揮研究員として、数多くの巨匠の下で研鑽を積む。1999~2001年ウィーン国立演劇音楽大学に留学。2000年東京国際音楽コンクール<指揮>優勝と齋藤秀雄賞受賞、2001年ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝。現在、広島ウインドオーケストラ音楽監督、京響常任首席客演指揮者、広響音楽総監督、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授を務める。好きな女優は山下容莉枝。

ミーティング当日はNG連発!? 苦戦を強いられる

さて、3月25日に東京音楽大学のホールで行なわれた先輩&後輩指揮者ミーティング。

高関さんが急遽欠席となったが、そのほかの面々は無事に集合。
下野さんと「音楽の友」編集部の仕切りのもと、段取りよく進むと思われたが……自由奔放なマエストロがいらっしゃり、まさかのNG集を作ることになってしまった。「なぜベートーヴェンの交響曲第1番を曲目に選んだか」も含めて、ここで動画を1本。

いきなりですが、NG集+α

先陣を切るのは……

だがしかし、なんとか演奏もこなし、若手の方々たちの音楽性やお人柄に触れることもできたので、今回から3回にわたって、その当日の模様を動画にして、指揮っぷりやキャラクターを紹介していく。

いずれの方も国内外で仕事を始め、人気も知名度もこれからウナギのぼり! ……と期待される方ばかりなので、ぜひ読者のみなさんも一緒に注目・応援していきましょう!

最年少92年生まれの熊倉優(くまくら・まさる)

1992年生まれ、東京都出身。桐朋学園大学卒業及び同研究科修了。指揮を梅田俊明氏、下野竜也氏に師事。第18回東京国際音楽コンクール<指揮>で第3位、第26回京都フランス音楽アカデミーにて最優秀賞(第1位)、第12回ドナウ国際指揮者コンクールで第2位受賞。2016年9月よりN響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のアシスタントを、同年11月より同団アシスタントとして定期公演等に携わる。これまでに広響、N響、九響、群響、東響、兵庫芸術文化センター管、都響等と共演。洗足学園音楽大学非常勤講師。好きな女優は比嘉愛未。

北海道教育大学出身! 横山奏(よこやま・かなで)

1984年生まれ、北海道出身。北海道教育大学札幌校卒業後、桐朋学園にて学び、東京藝術大学大学院修士課程を修了。2015年4月より2年間、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の指揮研究員を務めた。2017年WMC世界音楽コンクールにて第3位を受賞。第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第2位&聴衆賞を受賞。指揮をダグラス・ボストック、尾高忠明、高関健、中村隆夫、黒岩英臣の各氏に師事。好きな女優は鈴木京香と松下由樹。

次回以降に登場する若手指揮者たち

阿部未来(あべ・みらい): 1985年生まれ、秋田県出身。2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科器楽専攻(ピアノ)卒業。2009年東京音楽大学大学院科目等履修生作曲・指揮専攻(指揮)修了。2010年、アフィニス夏の音楽祭2010“山形”に指揮研究員として参加。その後2011年、ロータリー財団国際親善奨学生としてドイツ国立ドレスデン“カール・マリア・フォン・ウェーバー”音楽大学指揮科に留学。帰国後2015年4月から2019年3月まで、神奈川フィルハーモニー管弦楽団副指揮者を努める。好きな女優は吉高由里子。
石﨑真弥奈(いしざき・まやな): 1986年生まれ、東京都出身。東京音大および同大学院にて指揮を学ぶ。指揮を広上淳一、高関健、下野竜也、汐澤安彦、時任康文、三河正典の各氏に師事。2016年PMFのコンダクティング・アカデミーに選出され、アクセルロッド氏に師事。2011年度新日鉄住金文化財団指揮研究員。2012年「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」において入選、同時に聴衆賞を受賞。2017年「ニーノ・ロータ国際指揮者コンクール」でニーノ・ロータ賞(優勝)および聴衆賞を受賞。好きな俳優は堺雅人。
沖澤のどか(おきさわ・のどか): 1987年生まれ、青森県出身。東京藝大指揮科を経て同大学院修士課程修了。現在ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンに在学中。第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第1位および特別賞、齋藤秀雄賞を受賞。第7回ルーマニア国際指揮者コンクールにて第3位受賞。2011~12年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員。これまでに指揮を田中良和、松尾葉子、高関健、尾高忠明、C.エーヴァルト、オペラ指揮をH.D.バウムの各氏に師事。井上道義、下野竜也、P.ヤルヴィ、N.ヤルヴィ、K.マズア、R.ムーティ各氏のマスタークラスを受講。好きな俳優は松重豊。
河上隆介(かわかみ・りゅうすけ): 1974年生まれ、東京都出身。成城大学法学部を卒業後、会社勤務を経て、東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。指揮を広上淳一、三河正典、汐澤安彦、時任康文、小林研一郎の各氏に師事。2018年11月、ハンガリーのブダペストで行われた第2回アンタル・ドラティ国際指揮者コンクールにおいて、第2位および特別賞を受賞。これまでに仙台フィルハーモニー管弦楽団、サンアゼリアフィルハーモニカなどを指揮。東京音楽大学助教。好きな女優は松原智恵子と綾瀬はるか。
山脇幸人(やまわき・ゆきと): 1992年生まれ、宮崎県出身。東京藝大指揮科を卒業後、バイエルン州立歌劇場で研修生としてキリル・ペトレンコ氏、ズービン・メータ氏などの下で1年間研鑽を積む。指揮を尾高忠明、下野竜也、山田和樹の各氏に師事。ロンドン・クラシカル・ソロイスツ指揮者コンクール第1位、第1回マスタリング・ヨーロピアン・マスターズ国際指揮者コンクール第2位、第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉ベスト8、第2回民音国際指揮者講習会ファイナリスト。延岡ロータリークラブより文化奨励賞受賞。好きな女優は高畑充希。

次回は6月18日公開予定!

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