ミラノ・スカラ座がGoogleとコラボ! 超貴重なアーカイブを楽しもう
学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...
スカラ座に「どこでもドア」で潜入しよう!
今、世界中のオペラ・ハウスが、これからどのように再開していくかという問題を抱えています。ミラノ・スカラ座も2月23日から劇場を閉鎖中で、公演再開の予定としては、今年9月にシャイー指揮のヴェルディ《レクイエム》をドゥオーモ広場で、そのあと劇場でベートーヴェンの「第九」を演奏、という予定は発表されていますが、オペラについてはまだこれからです。
そんな中、スカラ座は5月7日に「Google Arts & Culture」とのコラボレーションを発表、劇場のヴァーチャル・ツアーを始めました!
必要なのはスマホやパソコンなどのデバイスだけ。すぐにスカラ座の中に飛び込むことができます。劇場で仕事をしている人しか入れないエリアや、貴重な資料などを、いつでも好きなだけ探索できるようになったのです。なんて素晴らしい……。
さっそく見てみましょう。まずはGoogleマップを使った劇場訪問です。客席部分に関しては、1階席(平土間)、2階中央のロイヤルボックス、桟敷席、そして天井桟敷席を訪れることができます。
客席全体を見回して気がつくのは、桟敷席のいくつかに、かつて貴族が所有していた時代の名残として、当時の装飾(壁にかけられた鏡、床のタイル等)を保存してあることです。そして、席によって舞台の見え方がまったく違うことにも驚きます。
それから、普段、観客として見ることができないエリアを見学するのも楽しいです。
マリア・カラスがその輝かしいキャリアを築いた舞台から、客席はどう見えていたのか? 舞台上で歌手にセリフを教える「プロンプター・ボックス」から見える舞台風景は?客席天井にある巨大シャンデリアの上から客席を見下ろすと……? 実際には行くことが不可能な場所を訪れるのは最高に楽しい!
スカラ座の驚異的なアーカイヴを開放
もうひとつ驚くのが、このオンライン・ページにはスカラ座に関係する、肖像画、デザイン画、アーティストの写真、舞台写真などの資料が、なんと24万枚以上アップされていることです。しかも、アトランダムに並んでいる画像を、コレクションの右上にある「並べ替え」の時計マークをクリックすることで、時系列に並び替えることが可能です。一枚一枚の画像は拡大して見ることができるので、肖像画の細部などをいくらでも堪能できます。
いかがでしょうか? ほかにも衣裳の展示、スカラ座にまつわるストーリーなどコンテンツはいくらでもあります。ぜひスカラ座の魅力に浸ってください。気をつけなくてはならないのは、いくらでも見てしまうことです。ご利用はくれぐれも計画的に(笑)。
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