レポート
2019.06.20
6月の特集「夏至」 編集部「本気でやってみた。」第7弾

夏至祭をやってみた。――手作りミッドサマー・ポールに集まって、北欧や東欧のお祭りを再現!

6月特集「夏至」の総決算!! ONTOMO編集部がノリと体当たりで臨む、編集部やってみた企画、第7弾は「夏至祭をやってみた。」! 夏至ってそもそも何をやるの? というリサーチから始まった編集部。北欧諸国で行なわれる夏至の催しをいろいろ試みてみることに。
気分は北欧。夏至の祝祭感をお裾分け。

夏至祭を祝う人々
ONTOMO編集部
夏至祭を祝う人々
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

小美濃悠太
小美濃悠太 ベーシスト

1985年生まれ。千葉大学文学部卒業、一橋大学社会学研究科修士課程修了。 大学在学中より演奏活動を開始し、臼庭潤、南博、津上研太、音川英二など日本を代表する数々のジャ...

本間ちひろ
本間ちひろ 絵本作家・イラストレーター

1978年、神奈川に生まれる。東京学芸大学大学院修了。2004年、『詩画集いいねこだった』(書肆楽々)で第37回日本児童文学者協会新人賞。作品には絵本『ねこくん こん...

写真:編集部

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編集部の夏至祭、手探り状態で決行!

6月の特集テーマが「夏至」に決まり、筆者の方に原稿依頼を出し、ひと息ついた頃のこと。

編集長 「夏至祭、やってみる?」

「特集に何かが足りない」とモヤモヤしていた編集長のひらめきと鶴のひと声(?)で開催決定。会場は、都心から近くてフォトジェニックな若洲キャンプ場。新人編集部員Mが北欧と東欧の夏至祭の内容を調べまくり、数多ある各地の風習をリストアップ。

で、どれを実行するの?

夏至祭でやること(ONTOMO編集部・選)
  • 花かんむりを作る(だって乙女だから)
  • 焚き火をたく(地域によっては象徴的な存在)
  • 焚き火の周りで歌って踊る(音楽メディアだし)
  • ごはんを食べて、お酒を飲む(必須)

会場到着~セッティング

まずは花かんむり作り

夏至祭のマストアイテム、花かんむり
スウェーデン、フィンランド、ラトヴィアをはじめ、女性は花かんむりをかぶって歌や踊りを楽しみます。1年間の健康を祈念してかぶるという国もあるようです。
花かんむり担当は前日に100円ショップに買い出しに。今回は手軽さを重視して造花で作ってみることにしました。

100均で入手した造花たち。
スペシャル・ゲストのクラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんと作りました♪

ちなみに「お花をつける」という楽しげな過程の裏側には、過酷な下準備が。

1. それぞれの花を一輪ずつにバラし、ワイヤーをテープで装着
2. 造花の茎部分で作った輪に、好みのお花をつけていく

……というだけなのですが、夏至祭直前のONTOMO編集部は、さながらお花畑という名の戦場。密かに「他にもっと重要なことあるよ……」とオーラを出していた編集長に気づいていたか?

花にまみれる新人Mのデスク
(実はドビュッシーがいるよ。見つけられるかな?)

想定外のミッドサマー・ポール登場!

ここで想定外、絵本作家の本間ちひろさん特製、ミッドサマー・ポールが登場。前日にスウェーデン大使館のアダムさんから本場情報を仕入れ、夏至祭への気持ちに火がついた本間さん。

なんと、背丈より高いスウェーデンのミッドサマー・ポールを作ってきてくださいました。分解していたポールを組み立て、ご実家から持参したという葉っぱを絡ませたら……立たせます! そびえ立つ夏至祭の象徴。

我々の空虚なキャンプサイトが、俄かに北欧の様相を呈してきました。後ろの木立とか、もう北欧の森じゃないですか! ※北欧の森を見たことはありません

隣近所で立派なテントを張っている歴戦のキャンパーたちに囲まれて、場違い感が満載です。異空間~。

土台のポールを組み立てる。そこに、昨日もらってきた葉っぱのついた枝を、白いテープで貼っていく。飯田さん、編集部、ベースの小美濃さんが出来上がっていく様子を見ながら喜んでくれたので、作業のテンションも上がるというもの。
ミッドサマーストングに下げる、例の2つの丸を、長めの枝をつないで作る。枝が少し余ったので、葉っぱだけだけど、冠も作ってみた。(本間さん記)
じゃじゃーん! 相合傘のようなこの形にはどんな意味が? 詳しくは本間ちひろさんの記事をどうぞ。
ポール作りチームと花かんむりチーム(フレームの外には炊飯係と音楽隊がいます)

祭りのメイン、歌と踊りの時間

スウェーデンの乾杯の歌「ヘーランゴー(Helan går)」、日本では「トットトコ」として知られるスウェーデン民謡「ヤンタ オ ヤ(Jänta å ja)」、そしてラトヴィアの夏至祭の歌「リーゴ(Līgo!)」の3曲に挑戦。

なんとなく配られた楽譜を、なんとなく道中で覚えて、本番に臨みました。そしてなんとなく撮影された写真のアー写感。

アー写感あります? グループ名は何が良いでしょうか。

ONTOMOリコーダー部と、別件の取材も兼ねて呼ばれたスペシャル・ゲストのジャズベーシスト、小美濃悠太さんによる素晴らしいアレンジで盛り上がります。小美濃さんのベースがなかったら、空中崩壊してましたね。

待ちに待ったディナー!

楽しく歌って踊っていたら、おなかがすいてきた。アウトドア好きの編集長と旦那さんが、手慣れた手つきで焚き火と晩餐の準備を進めてくれています。

スウェーデンではポールを囲みますが、ラトヴィアやノルウェーでは焚き火を囲んでビールを飲んだり踊ったりする風習があるそうです。

グラスにビールを注ぎ、先ほどの「へーランゴール」でスコール(乾杯)!!

本間さん 「本来、ここで一気に飲み干してグラスを空にします。」

「へーランゴール」はスウェーデン語で「全部飲んじゃえ!」という意味だそう。日本語でも「杯を乾かす」と書いて「乾杯」ですね。※お酒は20歳を過ぎてから自己責任でお願いします

さあ、宴の始まりです。

今回用意した食材たち

スウェーデン

  • 酢漬けニシンとジャガイモ……の予定が、酢漬けのニシンは入手困難につき、燻製ニシンのオイル漬け缶詰で代用
  • サーモン
  • スペアリブ
  • ベリー

フィンランド

  • 乳製品やソーセージやジャガイモ


ラトヴィア

  • チーズとビール

ノルウェー

  • ホットドッグ
美味しそう! 早く食べたい!

まずはスウェーデンの夏至祭でよく食べられる、ニシンとジャガイモを実食。編集長お手製ドレッシングが美味しいと評判に。味の決め手はディルというハーブ。

燻製ニシンは、くさみが少なくて食べやすい。ベビーリーフやディルと一緒にバゲットにのせてもいい感じです。

ディル、飾りだと思って捨てていませんか? 魚や肉料理にちらすだけでさわやかな風味が広がる万能ハーブ。サーモンとクリームチーズ、ディルを挟めば「スウェーデン風サンドウィッチ」。皆さまも夏至にどうぞ!

ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)

盛り付けは本間さんの出番。料理の仕事経験があるのだそう。ディルの緑が決め手!

次に、サーモンやスペアリブのBBQ。編集長が下味をつけておいてくれたスペアリブが絶品です。直火でじっくりと火を入れたので、ほどよくジューシー。
ワイルドに骨にかぶりつく編集部員たち。

友だちのフランス人のおばあちゃんが「骨の周りが一番美味しいのよ! 犬のように食べなさい!」と言っていました。自然のなかでガシガシと食べれば最高のご馳走ですね。

ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)

ウインナーはおまけです。

ノルウェーではホットドッグを食べるということで、ニューヨーク留学経験のあるアメリカ代表すぎさん歓喜! パリッと焼けたソーセージとふわふわパンは文句なしの美味しさ。

ちなみにアメリカのBBQは、ハンバーグを焼いてバンに挟んで食べます。特に具は挟みません。シンプルイズベスト。(アメリカ代表より)

デザートは、北欧の夏の風物詩、ベリーで〆ます。スウェーデン大使館で多くの家庭でベリーのケーキを食べると聞いたので、今回はパンケーキにイチゴとブルーベリーをふんだんに乗せていただきました。

「インスタばえする盛り付けにしないと!」と意気込んでいると、本間ちひろさんがプロデュースしてくださり、見事な「ばえパンケーキ」完成です。
パンケーキ食べたい♡

ちなみに、この写真を撮影したときにはすでに辺りは薄暗かった。日本の夏至は陽が沈むんだね。

食後は焚き火を囲んで歓談。
会話の内容は……しいたけに塩をどれくらいかけるのがベストか。主婦を代表して飯田さんに塩を振ったり、ゆで卵の殻をむいていただいたりしましたが、おフランス帰りの重鎮グルメ評論家K氏のGOODサインも出て、和やかに祭りは終了しました。

 

焼きものを美味しくする秘訣は「仕上げの塩を怖がらないこと」と、あるフレンチのシェフが言っていました。え? こんなにふって大丈夫? というくらいで丁度いい。

ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)

燃えろよ燃えろよ~♪ 暗くなる日本の夏至こそ、焚き火が必須。
飯田さまが優しく塩をかけてくれました。

総括

全員が初めての夏至祭でしたが、雨の予報も吹き飛ばす勢いで準備をし、19時ころには日が暮れる日本でも十分に盛り上がりました。

みんなで一緒に歌って踊り、乾杯してお酒と料理を味わい、焚き木を囲んで語り合う。

人生には、「楽しむときは、とことん楽しむ!」というメリハリも大事ですね! そんな北欧や東欧の文化に触れる絶好の機会、みなさんもぜひお祝いしてみませんか?

ちなみに、翌日は通常営業でした。北欧では金曜日に夏至祭の前夜祭をして、翌日の祝日まで遊び、そこからたっぷり夏休みをとることが多いそうです。そこは典型的な日本人、完コピできなかった……(翌年への反省)。

夏至祭を祝う人々
ONTOMO編集部
夏至祭を祝う人々
ONTOMO編集部

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飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

小美濃悠太
小美濃悠太 ベーシスト

1985年生まれ。千葉大学文学部卒業、一橋大学社会学研究科修士課程修了。 大学在学中より演奏活動を開始し、臼庭潤、南博、津上研太、音川英二など日本を代表する数々のジャ...

本間ちひろ
本間ちひろ 絵本作家・イラストレーター

1978年、神奈川に生まれる。東京学芸大学大学院修了。2004年、『詩画集いいねこだった』(書肆楽々)で第37回日本児童文学者協会新人賞。作品には絵本『ねこくん こん...

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