レポート
2023.10.03
今年はくまモンがスペシャルゲスト!

「ピアノランド」の人気曲を堪能!ピアノランドフェスティバルが4年ぶりのリアル開催

「ピアノランドフェスティバル」は、大人気のピアノテキスト「ピアノランド」シリーズを世に送り出した樹原涼子さんが、毎年夏にステキなアーティストたちとともに繰り広げる、見どころ聴きどころたっぷりのステージです。

子どもたちに愛され続ける数々の「ピアノランド」の名曲や、大人たちの心にも沁み入る樹原さんのピアノ作品、恒例の小原孝さんのコーナーが披露されるほか、その年にしか見られないミュージカル仕立ての物語や、特別ゲストのオンステージで、客席に集う親子連れやピアノ指導者たちで大いに賑わいます。

そんな「ピアノランドフェスティバル」も、2020年のコロナ禍からはオンライン配信で続けられてきました。しかしこの夏ついに、4年ぶりに有観客のリアル開催となりました。

取材・文
飯田有抄
取材・文
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

メインビジュアル:樹原涼子さんと小原孝さんはピアノランドフェスティバルをずっと続けてきた盟友。今年はスペシャルゲストのくまモンを迎え、さらに4年ぶりのリアル開催ということで、会場はたいへんな盛り上がりを見せました
撮影:ヒダキトモコ

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生演奏で“本物”を聴く〜「ピアノランド」の名曲たち

真夏の日差しが眩しい午後、渋谷区文化総合センター大和田「伝承ホール」には、たくさんの聴衆が賑やかに集いました。当日来られない方や遠方の方にもお楽しみいただけるように、動画配信も引き続き行なわれました! 生のステージを楽しまれた方も、再度アーカイブ配信でも楽しめます。

今回の出演は、樹原涼子さん、小原孝さん、クリステル・チアリさん、そして樹原孝之介さんです。プログラムの第1部、まずは「ピアノランド」の人気曲が樹原さん・小原さんの連弾と歌で次々に飛び出しました。やっぱりこの曲《どどどど どーなつ》に始まり、情感たっぷりに歌われた《わたりどり》、会場がうっとりとなった《Dreaming》など、「ピアノランド」第1〜5巻からの9曲です。

客席からは、「わ〜、やっぱり本物は違う……!」といった声が聞こえてきました。実はこの9曲、昨年にスタートした企画「レッツプレイ♪ピアノランド」で動画が多数寄せられた人気曲なのです。演奏動画を送って、作曲者の樹原さんからアドヴァイスをもらえる注目企画で、昨年は240件以上もの申し込みがあったとのこと。会場で“本物”を聴けば、やはり気持ちが高まります。

左から樹原涼子さん、樹原孝之介さん、小原孝さん、クリステル・チアリさん。《だいすき くまモン》は、子どもが左右の手5本だけで弾けるように、易しく作られています。それでいて一度聴くと忘れられないメロディは、樹原涼子さんのオリジナル曲で構成された「ピアノランド」が長年ベストセラーを誇る理由を物語っています

次は『ピアノランドプラス 四季のうた』の演奏。樹原さん、小原さん、そして孝之介さんの6手連弾《聴いているよ》では、モチーフのリレーや掛け合いが美しく響き渡りました。生演奏の空気を共有できるのはもちろん素敵ですが、アーカイブ配信で見ると、連弾ではお互いの手のポジションを工夫している様子などが画面からクリアに伝わります。

続く最新刊の『ピアノランドプラス だいすき くまモン』の演奏コーナーでは、元気いっぱいのクリステル・チアリさんが登場です。クリステルさんは、これまでに「ピアノランド」の数々の歌の曲を英語にしています(DVD『えいごでピアノランド』は大好評)。

最新刊から《おおつぶのあめ》《おきあがりこぼし》など6曲を、樹原さんが日本語で、そしてクリステルさんが英語に訳された歌詞で歌い、小原さん・孝之介さんが連弾で伴奏します。《すすめ!ダンジョン》では会場からの手拍子も加わって、熱気が増します。

そこへスペシャルゲストが登場です。なんと、熊本からくまモンが来てくれました!《だいすき くまモン》に合わせて、くまモンと一緒に会場の子どもたちもみんなでダンス。キックしたり、回ったり、音程に合わせた手の動きなど、くまモンもキレッキレの踊りを披露してくれました。

ピアノランドフェスティバル恒例のコーナー「樹原先生と小原くんの爆笑レッスン」もリアル再開です。永遠の小学1年生(!)小原くんと樹原先生の掛け合い、やんちゃな小原くんの様子に、客席の子どもたちの元気な笑い声が響きます。レッスン曲は《だいすき くまモン》。そこへなんと再びくまモンが現れて、大盛り上がりのうちに第1部が締めくくられました。

ちょっぴり大人テイスト、感動の第2部

第2部は雰囲気を変えて、ちょっぴり大人なコンサート。ラジオ番組でもお馴染みの「小原孝 弾き語りフォーユー」のコーナーでは、6月にリリースされた小原さんのCD『ピアノ宝石箱〜あこがれ/愛』から《あし笛の踊り》《家路》などが、躍動感たっぷりに、そして美しいppの音色を響かせながら演奏されました。

コロナ禍の配信「フェスティバル」で恒例となったコーナー「Liokoの部屋」では、「音楽の楽しみ」をテーマに、樹原さん・小原さん・孝之介さんがしっとりとトーク。『ピアノランドコンサート』『時の旅』『こころの小箱』『風 巡る』から連弾・ソロ曲がリレー形式で演奏されました。

最後のコーナーは歌手としての樹原涼子さんの弾き語りです。お母様を思って作られた《HAPPY LIFE》、姪の結婚式に贈った《永き道》、母としての思いが込められた《子供達へのバラード》。伸びやかで、優しく、そして時に太さのある力強い歌声で届けられる人生讃歌。とくに《永き道》で歌われた「愛していこう 平坦ではない 平凡な道」という言葉には胸がいっぱいになりました。もっともっと広く聴かれてほしい歌です!

樹原涼子さんの弾き語りに、大人も胸がいっぱいに

来年は「ピアノランドフェスティバル」25周年!

大きな拍手に応え、最後は樹原さんと小原さんの連弾で《ラプソディ第2番》のアンコールで華やかに締めくくられました。

コロナ禍でも配信を通じて、歩みを続けてきたピアノランドフェスティバル。子どもたちが日頃自分で弾いている曲を、作曲者やプロの奏者が、愛情をこめて本気で弾いて聴かせてくれるこのコンサートは、たんに「お手本」「模範演奏」然としたパフォーマンスではなく、どんなに小さくかわいらしい曲も、音楽としてどこまでも素晴らしく演奏ができるということを伝えてくれます。音楽の力をあらためて感じさせてくれる素晴らしいステージでした。25年目70回を迎える来年にも、期待が膨らみます。

まだ間に合う!アーカイブ配信鑑賞

4年ぶり、リアル開催のフェスティバルは大好評のお声を受けて、アーカイブ配信の期間延長が発表されました!ぜひお楽しみください。

◉一般:3,500円(税込)

◉ピアノランドメイト会員:3,200円(税込)

申し込みフォーム

詳しくは公式ホームページをご覧ください。

新刊情報

ピアノランドプラス だいすき くまモン
固定5指で弾ける連弾

樹原涼子 作曲

累計200万部を誇るベストセラーピアノ教材『ピアノランド』に「プラス」することで、さらに豊かなアプローチで楽曲を楽しみながら音楽の素養を磨くことができる。

本書では、『ピアノランド』1巻と2巻をつなぐレヴェルの12曲を収録。5本指へのスムーズな移行を助け、弾くのに精一杯だった子どもにも「フレーズ」とは何かを教えることができる。

また、子どもたちに大人気のくまモンを題材にした楽曲《だいすき くまモン》を収録。本文の随所にキュートなくまモンが登場し、学習意欲も気持ちも上げてくれる。

取材・文
飯田有抄
取材・文
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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