
山澤 慧と熊倉 優が第24回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞!


1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...
公益財団法人ソニー音楽財団は、第24回齋藤秀雄メモリアル基金賞 チェロ部門受賞者を山澤 慧、指揮部門受賞者を熊倉 優に決定した。同賞は音楽芸術文化の発展に貢献し、さらなる活躍が期待される若手チェリストと指揮者を顕彰すべく、2002年に創設され、これまでの多くの受賞者は国内外で目ざましい活躍を遂げている。
2月13日に都内で第24回の贈賞式が行なわれ、受賞者たちの功績が称えられた。
チェロ部門 受賞者の山澤 慧は、1987年生まれ、東京都出身。東京藝術大学卒業、同大学院修了。第 10 回ビバホールチェロコンクール第 3位、第 2 回秋吉台音楽コンクールチェロ部門第 1 位など、多数受賞。2017 年には文化庁新進芸術家海外研修員として、フランクフルトにてアンサンブル・モデルンのチェロ奏者、ミヒャエル・カスパー氏のもと研鑽を積んだ。現在は、藝大フィルハーモニア管弦楽団首席チェロ奏者、千葉交響楽団契約首席チェロ奏者として活躍している。
贈賞の言葉を贈った永久選考委員の堤 剛は、20世紀後半に活躍したドイツのチェリスト、ジークフリート・パルムを想起させるような活躍ぶりをみせていると称賛し、とくに現代音楽のレパートリーを広げる活動への貢献を高く評価した。
受賞にあたって、山澤は次のように思いを述べた。
「齋藤秀雄先生が広島での最後の講義で残した、『人間は、意志を持って、自分の特徴を生かさなければならない』という言葉を胸に、チェロという楽器でなにができるのか、チェロの可能性というものを常に考えて、これまで活動してきました。いまはライフワークの一つとして、20世紀以降の作品を演奏したり、新たなレパートリーを切り開くべく、作曲家に作品を委嘱する活動を続けています。今回の受賞を励みに、これからも作曲家が生みだした作品一つひとつに丁寧に向き合って精進していきたいです」
授賞式の最後には、最も古いチェロ作品の一つといわれる、ドメニコ・ガブリエリ「リチェルカーレ」を演奏。「探し求める」という意味をもつ「リチェルカーレ」に思いを寄せ、山澤の音楽へのあくなき探求心を感じさせる音色が響きわたった。

提供:ソニー音楽財団
指揮部門で受賞した熊倉 優は、1992 年生まれの東京都出身。桐朋学園大学作曲専攻入学時から指揮を学び、梅田俊明、下野竜也に師事。第 18 回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第 3位受賞。2016 年から 2019 年まで NHK 交響楽団の首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、および同団のアシスタントを務め、定期公演などに携わる。2021 年からはドイツを拠点とし、ハンブルク州立歌劇場でケント・ナガノ氏のアシスタントを務めたほか、2023年 8 月からはハノーファー州立歌劇場第 2カペルマイスターに就任し、国際的に活躍の場を広げている。
選考委員の高関 健は、「ドイツの一流の歌劇場のカペルマイスターとして、ドイツの社会のなかで活動することは、なかなかできることではなく、非常に尊敬すべきことです。次の世代を引っ張っていける実力をお持ちなので、ぜひ期待していただきたいです」と、激励の言葉をかけた。
熊倉は、斎藤秀雄による「指揮法教程」を引用しながら、受賞の喜びを語った。
「斎藤秀雄先生の『指揮法教程』との出合いによって、さまざまな指揮の技術が言語化されていることに感動したと同時に、指揮者を目指すことの難しさも学びました。実際に自分が指揮台に立つようになってからは、試行錯誤をしながら失敗や成功体験など多くの経験をし、いざ振り返ってみると、『指揮法教程』で学んだ斎藤先生の教えが私を助けてくれた、と感じることがたくさんあります。ドイツに拠点を移して5年目になり、まだ自分の活動で精いっぱいなところはありますが、いつかはクラシック音楽界に少しでも寄与できるような音楽家になりたいです」

提供:ソニー音楽財団
国内外でさらなる音楽の深みを目指して演奏活動を行なっている、山澤と熊倉。進化し続ける、今後の二人の活躍に注目だ。
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