
石田泰尚さんが横浜みなとみらいホールプロデューサー“ラストイヤー”への意気込みを語る


東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
横浜みなとみらいホールが1月29日、2026年度ラインナップを発表した。同ホール館長の新井鷗子、チーフプロデューサーの菊地健一が登壇し、「プロデューサー in レジデンス」第3代プロデューサーを務めるヴァイオリニストの石田泰尚が演奏を披露した。
2026年度は、中川優芽花、アレクサンドル・カントロフ、児玉隼人、ホール初登場のユジャ・ワン、オリヴィエ・ラトリーなど、国内外を代表するアーティストが横浜に集結する。
石田プロデューサーは、就任した2025年度を「あっという間だった」と振り返る。

室内楽シリーズ「サロンdeストリングス」は石田プロデューサーにとって、他のアーティストを初めてプロデュースした企画。「ぼくが出れば、もっとお客さんは入るんですが」というコメントに笑いが起きる場面も。
2026年度の同企画3公演については、「毎回、全メンバーを入れ替えて構成し、コントラバスを入れたい、というアイデアから、シューベルトのピアノ五重奏曲《鱒》をプログラムに組み入れることを考えました。そこから、シューベルトを軸としたプログラムに決まりました」
vol.4 弦楽五重奏
5/27(水)14:30 大ホール
三上 亮、双紙正哉(ヴァイオリン)、石田紗樹(ヴィオラ)、西谷牧人、森山涼介(チェロ)
シューベルト: 弦楽三重奏曲 変ロ長調 D471
シューベルト: 弦楽五重奏曲 ハ長調 D956
vol.5 ピアノ五重奏
8/26(水)14:30 大ホール
後藤 康(ヴァイオリン)、木下雄介(ヴィオラ)、奥泉貴圭(チェロ)、米長幸一(コントラバス)、實川 風(ピアノ/ゲスト出演)
ロッシーニ: チェロとコントラバスのための 二重奏曲 ニ長調
シューベルト: ピアノ五重奏曲 イ長調 《鱒》 D667
vol.6 弦楽四重奏
10/21(水)14:30 大ホール
佐久間聡一 、ビルマン聡平(ヴァイオリン)、 中村洋乃理(ヴィオラ)、髙木慶太(チェロ)
シューベルト: 弦楽四重奏曲第12番 ハ短調《四重奏断章》 D703
シューベルト: 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 《死と乙女》 D810
弦楽合奏部応援プロジェクト
プロの演奏家を目指す子どもたちではなく、部活で弦楽活動を楽しんでいる中高生たちを対象とした「弦楽合奏部応援プロジェクト」は、石田プロデューサー自ら学校に赴き指導する通年事業。プロジェクトの最後には、中高生たちが弦楽アンサンブル「石田組」とのステージを経験する。
石田 楽しいです。中学生から楽器を始めた子どもたちもいて、一人ひとりの成長が素晴らしくて感動しました。これからも音楽を続けていってほしい。
新井 石田さんは、子どもたちに弾いている姿を見せて、こう弾きなさい、こうしなさい、ということは仰っていなかったですね。
石田 ずっと弾いていました(笑)。
石田プロデューサー自ら出演する公演
2027年3月21日の「石田泰尚×津田裕也リサイタル」では、シューマンとブラームスのヴァイオリン・ソナタを全曲披露する。
石田 2018年に横浜みなとみらいホールで、津田先生とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全10曲を一日で演奏しました。毎回、大変なプログラムしか一緒にやっていないんです。津田先生は、一緒に演奏するうえで心強い安心感のある存在。
新井 津田さんも多くを語らないタイプの演奏家ですが、練習中お2人はどんな会話を?
石田 まったく会話ないですね。お互いにやろうとしていることがわかるので、言葉はいらない。で、リハーサルがすぐ終わっちゃう。
フィナーレ企画
石田プロデューサーの任期を締めくくる企画は、プロデューサー就任当初から構想があった石田組初のオーケストラ編成の公演(2027年2月27日、28日)。石田プロデューサーが尊敬してやまないヴァイオリニストの徳永二男氏をゲストソリストに迎える。
石田 徳永さんとの最初の出逢いは、高校3年生の時。国立音楽大学の冬期講習のグループレッスンで見ていただいて衝撃を受けました。それ以来、尊敬しているヴァイオリニストです。
“多世代”育成の時代
新井館長は、2020年のコロナ禍に立ち上がったバーチャル型の音楽フェスティバル「横浜WEBステージ」から派生した「『横浜WEBステージ』ガラ・コンサート~伝説のバーチャル音楽祭の秘密が明らかに~」(2027年1月22日)を、2026年度の目玉事業の1つとして挙げる。出演は、ピアノの阪田知樹氏、ヴァイオリンの﨑谷直人氏、パイプオルガンの浅井美紀氏ほか。
新井 「横浜WEBステージ」は、劇場やホールに行けない代替のコンテンツではなく、会場の客席からは見ることのできない特別な視点からの映像で楽しめる、生のコンサート鑑賞とは別の価値があるコンテンツでした。このバーチャルなイベントを、今度はリアルなコンサートで体験することができます。これからは、次世代のみならず“多世代”を育成する時代。ホールがさまざまな世代の交流の場になるよう、次世代の育成から多世代の育成へとプロジェクトの視点を広げていきたいと思っています。

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