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2025.03.22
インドのモノ差し 番外編

新日本フィルと佐渡 裕、反田恭平が中東のアブダビ フェスティバルでオープニング出演!

足繁くインドに通う、クラシック音楽のフリーライター高坂はる香さんによる連載「インドのモノ差し」。今回は筆者が滞在中だったインドのムンバイから飛行機で片道3時間半という、アラブ首長国連邦まで足を延ばした番外編をお届けします。

中東最大規模のクラシック音楽祭「アブダビ フェスティバル」のオープニングに招かれた、新日本フィルハーモニー管弦楽団と佐渡 裕音楽監督のコンビ、ピアニストの反田恭平さんによるツアーに同行した高坂さん。クラシック音楽の公演が多くはないこの地で、その演奏はいったいどのように受け入れられたのでしょうか?

取材・文
高坂はる香
取材・文
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

アブダビ フェスティバルの舞台で喝采を受ける(左から)佐渡裕さん、反田恭平さん、ジョナサン・テテルマン(テノール) ©Abu Dhabi Music & Arts Foundation

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アブダビは中東で人気の旅行先

アラビア半島のペルシャ湾岸に位置する、アラブ首長国連邦(UAE)。

1971年の建国以来、石油産業の発展で急速な経済成長を果たし、なかでも二大都市であるアブダビとドバイは、完璧に整備されたクリーンな街並み、目を見張るほどの巨大な高層ビルが建つ、近代的な場所です。

同時に、砂漠と海に囲まれたユニークな風土、伝統衣装を身にまとう人々、礼拝の時間を伝えるためにたびたび響き渡るアザーンという、アラブの文化を色濃く感じる要素も多くあります。

中東のなかでも、安心して訪ねることができる人気の旅行先といえるでしょう。

ドバイが経済やエンターテインメントの中心地であるに対し、首都であるアブダビのほうは、政治や芸術文化の中心地として知られています。

そんなアブダビで今年も、中東最大規模のクラシック音楽祭であり、すでに22回目を数える「アブダビ フェスティバル」が開催されています。

UAEと日本の外交関係樹立50周年となる2025年、音楽祭のテーマは「日本」。そのオープニング公演を、新日本フィルハーモニー管弦楽団と佐渡 裕音楽監督のコンビ、ピアニストの反田恭平さんが飾ると聞いて、その演奏が一体どんなふうにアブダビの聴衆に受け入れられるのかを見届けるべく、ツアーに同行してまいりました。

きれいに整備されたビーチもたくさんあります
筆者が滞在中だったムンバイからは、飛行機で片道3時間半!
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日本での公開リハーサルを終え、オーケストラは一路アブダビへ

新日本フィルのアブダビ公演は、2月7日、8日の2日間。それに先駆け、2月2日、新日本フィルのお膝元であるすみだトリフォニーホールで、公開リハーサルが行なわれました。

これは、ふるさと納税型クラウドファンディング「音楽の力で人とまちを元気に」2024プロジェクト関連事業の一つ。墨田区在住・在勤・在学の方を中心とした約500名が招待され、駐日UAE大使館のモハメッド・アルファラヒ参事官列席のもと、アブダビに届ける音楽が一足先に披露されました。

日本でのリハーサルを重ね、準備万端のオーケストラご一行は、一路アブダビへ。

深夜到着の便ということで、翌日は時差調整のオフ。みんなで世界最大級のモスクとして知られるシェイク・ザーイド・グランド・モスクなどを訪問しました。

一部のオーケストラ・メンバーは、早々に民族衣装を入手。好奇心旺盛な音楽家の集団は、長いフライトの翌日でも元気です!

好奇心旺盛なオーケストラ・メンバーは、さっそく民族衣装を入手して記念撮影!©Mantaro Jo
反田恭平さんと、白亜のシェイク・ザーイド・グランド・モスク。イスラム文明の建築様式と現代の建築技術を融合し、贅を尽くしたモスクで、総工費は851億円だそう!

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