音楽ライターは今後不要になる? ChatGPTに曲目解説を書かせてみた
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
いよいよAI(人工知能)の時代が、音楽・出版業界にも、足音を立てて近づいてきた。巷間で話題の対話型AI「ChatGPT」(以下「チャットGPT」)が米オープンAI社によってリリースされ、日本語でも無料で誰でも使えるようになった。官公庁や大企業が続々と導入を検討し、東京大学も緊急提言を発表するなど、波紋は広がる一方である。
このチャットGPTの使い方はいたって簡単、どんな質問にでも気の利いた文章で答えてくれるというものだ。では、まず身近なところから、このチャットGPTに音楽ライターをやらせてみたらどうなるだろう?
ベートーヴェンの「悲愴」についてきいてみた
まず、こんな質問を投げかけてみた。
――ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」について教えてください。
ChatGPT:ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」は、彼の最も有名な作品の一つであり、彼の作品の中でも特に愛される曲の一つです。
「悲愴」という題名は、ベートーヴェンの友人であった音楽評論家ヨハン・ネポムク・メーターによってつけられました。このソナタは、第2楽章が非常に感情的で悲痛な旋律を持ち、ベートーヴェン自身もこの曲を「悲しみの運命」と表現しています。
このソナタは、4つの楽章から構成され、全体的には比較的短い曲です。第1楽章は荘厳な雰囲気を持ち、第2楽章が非常に感情的で悲痛な旋律を持ち、第3楽章は軽快で陽気な曲であり、第4楽章は熱狂的なフィナーレを持ちます。
「悲愴」は、ピアノ・ソナタの中でも非常に人気の高い曲の一つであり、多くのピアニストによって演奏されています。その感情的な旋律や、印象的な和声、技巧的な演奏技術を要求する箇所など、多くの音楽愛好家にとって、ベートーヴェンの代表作として愛されています。
おっと、これはひどい。デタラメもいいところ! それなのに、いかにも自信たっぷりでもっともらしい文章で出てくるとは。
まずは、こう切り返してみる。
――「悲愴」というタイトルは、ベートーヴェンが自分で付けたのではないですか?
ChatGPT:すみません、先程の回答に誤りがありました。実際には、ベートーヴェン自身が「悲愴」というタイトルを付けたとされています。出版された楽譜にも「悲愴」というタイトルが掲載されています。申し訳ありませんでした。
重ねて突っ込んでみる。
――「悲愴」ソナタは、4楽章ではなく、3楽章ですよ。
ChatGPT:申し訳ありません、先程の回答に誤りがありました。実際には、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」は3つの楽章から構成されており、私の回答に誤りがありました。第1楽章は「悲愴」の旋律が現れるアダージョ・サスティヌート、第2楽章はスケルツォ、第3楽章はロンド・アレグレットです。お詫び申し上げます。
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