読みもの
2021.11.24
編集部日記 Vol.11

音楽に従事して50年。心技体をいつも前向きにしてくれるのが音楽。心を癒す、心を浄化する一服の清涼剤、サプリメントが音楽!

大谷隆夫
大谷隆夫 音楽之友社 編集部担当常務取締役

東京生まれの東京育ち。田舎に憧れ、自給自足を夢見るオジサン(多分無理)。中近東の転勤を命ぜられ広告会社を退社し、現在の出版社に就く。FM誌の編集を経験した後休刊と同時...

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毎日音楽と接しない日はないのが日常。たまたままたWOWOWでChicagoのドキュメンタリー映画(再放送)を観た。2017年に結成して50年を迎えたブラスロックの雄。

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1971年6月、初来日演奏を武道館で行なったChicago。大学3年生の私が音楽関係で初めてお金をもらった最初の仕事、といってもアルバイトの警備員。ステージを背に向けて、ファンがステージに雪崩れこまないようにガードする仕事で、残念ながら彼らの演奏風景は見られなかった。それでも、今は亡きテリー・カスのギターと大好きなトロンボーン奏者、ジェイムス・パンコウの演奏が聴けたのは一生思い出。

それ以降、取材で何度かコンサートに行ったが、最初の衝撃には叶わない。初期の彼らは社会問題を取り上げ、メッセージ性を詩にこめた作品が多かったが、次第にポップ色の強いバンドとなり、幾度となくメンバーチェンジを繰り返し、バンドとしての存続が危ぶまれた時期もあった。しかし、今年で初来日から50年。いまでも一線で活躍しているのが嬉しい。

Chicagoのアルバムはほとんど持っているが(約40作品)、その日は珍しく25枚目の『25-クリスマス・アルバム』をかけてみた。

土曜日(20日)は午後、オーチャードホールに小山実稚恵さんのリサイタルに出向いた。ベートーヴェン・シリーズ「ベートーヴェン、そして…」の最終回(第6弾)。コロナウイルス対策をしっかりと行ない、100%観客を入れてのリサイタルは、緊張と彼女が綴るベートーヴェンのずっしりと重い世界で、満員の聴衆を魅了していた。彼女の飽くなき探究と研ぎ澄まされた演奏にはいつも圧倒される。次なる企画も楽しみだ。

小山実稚恵さんの最新アルバム『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番』

次の日、日曜日(21日)、「レコード芸術」恒例の「レコード・アカデミー賞」第59回の大賞、銀賞そして銅賞の審査会に同席した。17名の審査による選考はどの賞も決定となる過半数になかなか達せず、何度も投票をすることになった。この数年この傾向があり、緊張した時間を共有した。1年間にリリースされたクラシック音楽作品の総決算とも言われるだけあって、どの作品も優劣つけがたいことの証でもあるのだろう。難産の結果、晴れて三賞は決まり、近々報道関係にお知らせする予定だ。

12月に入っていくつかのコンサートに呼ばれているので行ってみようと思う。特に、12月8日(水)、オペラシティで行なわれる大貫妙子さんのコンサート「⼤貫妙⼦ アコースティックコンサート2021」は楽しみだ。最近お会いすることがあり、過去の作品をアナログ盤にすることに大変意欲をもっている姿に共鳴してしまった。また久しぶりにお話をして改めて親近感を覚えた杉山清貴さんのライブ(12月25日渋谷)にもお邪魔するつもり。

音楽サプリは途切れることなく毎日使用してこそ効き目がある? それは何の? さあ、余生を謳歌するためかな。

大谷隆夫
大谷隆夫 音楽之友社 編集部担当常務取締役

東京生まれの東京育ち。田舎に憧れ、自給自足を夢見るオジサン(多分無理)。中近東の転勤を命ぜられ広告会社を退社し、現在の出版社に就く。FM誌の編集を経験した後休刊と同時...

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