湯布院から「ジャズ羊羹」を取り寄せて、編集会議しながら食べてみた。
9月の特集、お取り寄せ。これぞ音楽! なスイーツ、「ジャズ羊羹」を大分県湯布院からお取り寄せしてみました。オシャレな「ジャズ羊羹」によって、果たして弊社の昭和風味な会議室はジャジーな空間になるのか。雨の午後のグルメレポート。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
発端~編集会議のノリ
「9月の特集は、お取り寄せで!」
お取り寄せ。……お取り寄せ?
通販で何でも手に入る時代とはいえ、実体のないもの(=音楽)をどう取り寄せるのか。
しかし編集会議で決まってしまったものは仕方がない。強引に何か音楽っぽいものを取り寄せねばならない。
そこで思い当たった。
……ハッ! あるではないか、「ジャズ羊羹」が!!
というわけで、大分県湯布院からジャズ羊羹を取り寄せてみた。
旅と音楽、そして雨を愛するという「湯布院 CREEKS.」。コンサートシリーズ【旅する音楽】を企画している彼らならではの“未知との遭遇”が、この「ジャズ羊羹」だ。
最初に「ジャズ羊羹」の存在を知ったのは、林田直樹さんと藤田令伊さんの対談企画でお世話になった、青山のヘイデンブックス。湯布院から取り寄せているんですよ、と店長の林下さんがおっしゃっていたのが記憶に残っていたのだった。
そのときは確か冬季限定のショコラをいただいたと思う。
素敵な喫茶店で美味しい珈琲とともにいただくのも一興だが、今回は敢えて、編集会議をしながら食してみた!
昭和感漂う会議室でも、ジャジーな気分に浸りたい。
淡々と週次報告が行なわれる傍らで、珈琲を淹れる編集部員Kと、羊羹を切る編集部員S。我々は何をしているのか。珈琲の淹れ方に一家言あるKは「電気ポットだと上手く注げない……」と給湯室でわざわざお湯を沸かしてきた。
切り分けるポイントに迷って、「ドレミ」と「ファソラシ」で分けてみた。ファソラシの人はちょっぴりお得である。
さあ! 会議は中断だ! 食すぞ!(結局会議はしていない件)
T: ありきたりなコメントですみませんが、食べるのがもったいないですよね。
と、Cから食べ始めるT氏。
T: 予想していた甘さではないですね。甘ささっぱりで大人の味。ジャズを聴きたいです。
ここでK、すかさずビル・エヴァンスをかけ始める。やはりここはピアノ・トリオを聴きたい。
ちなみに珈琲も、羊羹と一緒に取り寄せてみた。ラベルの下に“Waltz of the Rain”と書かれている。《Waltz for Debby》がぴったりだ。
T: いちじくがいいアクセントになっていますね。羊羹といちじくって、なかなかない発想ですよね。
いちじく大好きK: おいしそ〜!
T: 羊羹って、甘すぎてちょっと食べたらいいやってなりがちになっちゃうんですが、これはさっぱりしているので食べられます。
つづいてK氏、Fから食す。
K: 見た目のクオリティがすごい! (……もぐもぐ)美味しいよこれ!
K: コーヒーもいいけど、ワインとか赤ワインとかと一緒に食べたい。上の白い部分なんでしょうね?
W: 白あんだよ。
K: 白あんかー。この見た目がね~! 素晴らしいですよね! 食べ物は見た目が80パーセントですから! ……赤ワインの味しない?
W: いちじくがワインに浸してあるんだって。
K: いちじくのワイン漬けって美味しいね! メロンみたいな濃厚さがあって。
どっしりした味わい。ちゅるちゅるしてない。これからの季節にいいですね!
ブランデーとかコニャックにも合うかも。コニャックいいと思うな。1鍵盤分食べてハードリカーとかいいですねえ。
これがおフランス帰りライフスタイルか。今、昭和の会議室にパリの風が吹いた(気がした)。
T: 湯布院ってのがいいよね。ゆふいんの森っていう電車が走ってるんですけど。
あれは高校生の夏でした……。一人旅してて……周りはOLばっかり! 高校生1人では肩身が狭かった……。
W: 「旅と音楽」っていうコンセプトにぴったりじゃないですかー。
W: お酒が苦手な人も食べられる味?
T: 僕お酒全然飲めないけど、食べられますよ。羊羹なら栗とか入れるのが普通だけど、いちじくって斬新ですよね。
ところで、このジャズ羊羹が載っているオシャレなプレートは、私たちが運営するオンラインショップ「ONTOMO Shop」でも取り扱っているピアノプレート。会津塗の技術の粋を集めた逸品だ。
……と自慢のおしゃれプレートを宣伝したところで、会津と湯布院とジャズが出逢ってしまった話のつづき。
S: 私はファから食べます。(もぐもぐ……)いちじくの食感がしゃりしゃりしますね。食べた瞬間はさっぱり、食べ終わる頃にほわっとお酒の味がします。羊羹だけど、洋菓子っぽさもある。
W: オトナのお酒の友って感じ。いわゆる羊羹じゃなくて、つまみだね。
一同: 確かに! スイーツというよりつまみ!
S: ヘイデンブックスでいただいたのは違う味だったかも。冬季限定のチョコレートかな?
W: ジャズ羊羹は3種類あるね。クラシックとジンジャー、チョコレート(冬季限定)。
S: ぺろっと食べちゃいました(完食)。
W: 何の音楽が聴きたくなるかねぇ?
K: 自分はエヴァンス・トリオの《Some Other Time》とか。
S: チェット・ベイカー! 歌ってるほう。《My Funny Valentine》とか。
K・W: くらい!
編集マンに欠かせないもの:カフェイン
W: 珈琲も美味しいですね。舌触りがさらり、後味すっきり、爽やかな風味です。何杯飲んでも気持ち悪くならないし、冷めてしまっても変な酸味が出てくる感じもないから、いつも会社では午後イチで珈琲を多めに入れて、ちょびちょび飲んでいる私にはGoodでした。
K: コーヒー蒸らしたときにぶわーってガスがあがったので、挽いてあっても鮮度はバッチリって感じでした。
S: さっぱりしてて飲みやすいです。珈琲党ではないのであんまりたくさん飲まないんですけど、これはブラックでも飲めますね。私はアメリカンで薄めに飲むのが好きかも。
お湯を注いだ瞬間にふわっと香る甘さ。濃いめに淹れてもきりっとすっきり系。雨の午後の会議室にピッタリか。
会議(?)中に飲み終わらなかった分は、ONTOMO編集部ストックへ。
淹れたての珈琲をデスクに置いて、編集に励んでいます。
オマケ: ジャズ羊羹と一緒に味わうプレイリスト
編集部員K・選
- 今年没後100年のバーンスタイン:《Some Other Time》をエヴァンスのピアノトリオで
- ラヴェル:ヴァイオリンソナタ2楽章”《ブルース》。アンニュイなタッチのクラシックとジャズの融合ということで。
編集部員S・選
シカゴ・ローカルのアーティスト。ぼそぼそと低い声で歌うヴォーカルと空気感のあるアコースティック・サウンドで、アンニュイな仕上がりになっています。まるっと視聴できるので、気に入ったらぜひお取り寄せしてみて下さい。《Robin》では、バッハの《平均律クラヴィーア曲集第1巻》の24番のフーガが使われています。
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