ヴァイオリン自慢その2:名器ストラディヴァリウスによるダイヤモンドのような高音
アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、ヴィオラの川本嘉子さんよりバトンを受け取った千住真理子さんによるヴァイオリン自慢です。
2歳半よりヴァイオリンを始める。全日本学生音楽コンクール小学生の部全国1位。NHK交響楽団と共演し12歳でデビュー。日本音楽コンクールに最年少15歳で優勝、レウカディ...
かけがえないのないストラディヴァリウスの高音の魅力
ストラディヴァリウス。その名前は津々浦々、知らない人はいないほどです。楽器を触らない方でも、クラシック音楽に馴染まない方でも、聞いたことがある名前、それが「ストラディヴァリウス」です。
「ストラディヴァリウス」は、イタリアのクレモナに生まれた楽器職人、アントニオ・ストラディヴァリがこの世に生み出した弦楽器です。天才と言われたアントニオ・ストラディヴァリは、10代から楽器を作り始めて、90代で亡くなるまで名器を製作し続けた人でした。あまりに素晴らしい音色が出たことから、さまざまな伝説を生み、不可思議な現象や神秘的なストーリーがまことしやかに語り継がれています。
そのストラディヴァリウスの中でもヴァイオリンは一段と、特性が顕著に出ている楽器だと思います。
それは特に高音域にみられます。高音における透明で突き抜ける響きは「ダイヤモンド・トーン」とも言われているのだ、と昔恩師の鷲見三郎先生から伺った記憶があります。夢のような話に胸が高鳴ったものです。
ストラディヴァリウスのような素晴らしい音色、完璧な音のバランスの楽器の不思議を解明しようと、多くの科学者が材質やニスを、研究してきましたが、なかなか解明できません。未だ同レベルの楽器が作られることがないことが、ますます希少価値を生み、神秘な存在として高められていくのです。
ヴァイオリンの魅力を味わう作品
エストレリータ~小さき星に
まろやかなメロディライン、ストラディヴァリウスならではの旋律が冴える1曲です。特に高音になると、これぞストラディヴァリウスという響きが楽器の裏板から鎖骨に伝わります。
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