ヴァイオリン自慢その3:指先のわずかな加減で音色を繊細に変化させられる楽しさ
アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、ヴィオラの川本嘉子さんよりバトンを受け取った千住真理子さんによるヴァイオリン自慢です。
2歳半よりヴァイオリンを始める。全日本学生音楽コンクール小学生の部全国1位。NHK交響楽団と共演し12歳でデビュー。日本音楽コンクールに最年少15歳で優勝、レウカディ...
繊細に音色の表情を創り出し、指先での微調整が楽しい
ヴァイオリンという楽器の楽しい点は、繊細な音色を自らの身体で作り出す、という点です。
そもそも弦楽器族といわれる楽器は同様に、自分自身の指で音程を探り、音を作り、音色を工夫するのが実に楽しいです。
人はそれぞれ骨の太さ、筋肉の強さ、皮膚の厚み、爪の大きさや厚さなど物理的な個人差があります。ですから、たとえ同じ楽器を何人かの人が奏でても、皆違う音色になります。まさに、人の顔と同様に、まったく同じ音色などありません。
さて、そんな中でもヴァイオリンは弦楽器族の中で、一番小さな楽器です。それゆえに、ほかの弦楽器とはまた異なった面白さがあります。小さいからこそ、ほかの弦楽器より、さらに繊細な変化が可能になります。
左指で弦を押さえる音程の幅も小さく、限られているからこそ、その些細な変化を表現に反映させます。わずかに力を入れたり、微量の指の肉の傾きによって、さまざまな変化が生まれます。それゆえにゼロコンマ1ミリの指先の加減で音色が変化する、それはとても楽しいことです。自分自身の音色を探り出し、心を反映していくことは、生きる歓びにかわります。
ヴァイオリンの魅力を味わう作品
黒い瞳
エキゾチックなニュアンスは、ヴァイオリンという楽器ならではの「指先で作り出す音程」で表現できる面白さがあります。重音の半音に移動すり幅も、細かな指の向きで表情が変わります。
次は、アコーディオンのCobaさんです。共演させていただいたときの感動的な衝撃は忘れられません。その魅力をたっぷり、お聞きしましょう!
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