読みもの
2018.08.04

日めくりオントモ語録/パトリシア・コパチンスカヤ

イラスト:駿高泰子

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作品のなかで私が重要だと見出したことを伝えたい。音楽とともにやっていくことが主です。私自身は重要ではないし、好かれたいとも思いません。

―― パトリシア・コパチンスカヤ「レコード芸術」2014年8月号より

テオドール・クルレンツィス指揮のムジカ・エテルナと、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を録音し、奇才2人の熱演が話題をさらったモルドヴァ生まれのヴァイオリニスト、コパチンスカヤ。「私は自分を消して、音楽と一体化するように努めます。なにか奇跡や神秘のようなことが起こるのを望むのです」とも語っており、聴衆や共演者から好かれることで、良い音楽が生まれるわけではないと考えるようになったそうです。

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 ~ 3. 終曲:アレグロ・ヴィヴァチッシモ
パトリシア・コパチンスカヤ (ヴァイオリン)テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカ・エテルナ

パトリシア・コパチンスカヤ(Patricia KOPATVHINSKAJA 1977- )

モルドヴァ生まれ。作曲とヴァイオリンをウィーンとベルンで学ぶ。2000年シェリング国際コンクール優勝、02年「クレディ・スイス・グループ・ヤング・アーティスト賞」ほか受賞多数。ソリストとして、フィルハーモニア管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団、ベルリン・ドイツ管弦楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、パリ・シャンゼリゼ管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、NHK交響楽団ほかと、ベルトラン・ド・ビリー、フィリップ・ヘレヴェッヘ、マリス・ヤンソンス、パーヴォ・ヤルヴィ、金聖響、アンドリス・ネルソンス、ロジャー・ノリントン、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキらの指揮で共演している。
音楽祭からも数多く招かれ、ルツェルン音楽祭、ザルツブルク音楽祭、ウィーン芸術週間、ロッケンハウス音楽祭などに出演している。共演ピアニストには、リフシッツのほか、ポリーナ・レシェンコ、ファジル・サイ、ヘンリ・シーグフリードソンらが挙げられ、シーグフリードソンとはチェロのソル・ガベッタとピアノ・トリオを結成している。09年には、ファジル・サイのヴァイオリン協奏曲《ハーレムの千一夜》を初演するなど現代作品にも取り組み、また彼女自身も作曲を手がけている。これまで、多くの作曲家たちが彼女のためにヴァイオリン協奏曲を作曲し、彼女が初演を行っている。
使用楽器は、1834年製プレッセンダ。また、スイスのNGO団体「Terre des Hommes」のアンバサダーとしてモルドヴァの子どもたちを支援している。

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