日めくりオントモ語録/イェルク・ヴィトマン
私にとってはクラリネットは聖なる楽器なのです
―― イェルク・ヴィトマン 「レコード芸術」2018年6月号より
クラリネット奏者、指揮者そして売れっ子の作曲家としても活躍中のヴィトマン。レーガーの名作であるクラリネット五重奏曲とともに自作のクラリネット五重奏を演奏するコンサートで、恐怖心に駆られて直前にモーツァルトの曲に差し替えてしまった時のエピソードについて一言。「聖なるものを自分が抱えることができる、という自信がそのときは見出せなかったのです」と、謙虚に語りました。
イェルク・ヴィトマン: 八重奏曲 ~ 第1楽章「イントラーダ」
クラリネット奏者、作曲家、指揮者。1973年ミュンヘン生まれ。ミュンヘン音楽演劇大学でゲルト・シュタルケに、ジュリアード音楽院でチャールズ・ナイディックにクラリネットを学ぶ。これまでにクリストフ・フォン・ドホナーニ、シルヴァン・カンブルラン、クリストフ・エッシェンバッハ、フランツ・ウェルザー=メスト、ケント・ナガノ、ダニエル・ハーディングらの指揮者と共演。リーム、ライマン、ホリガーらが新作のクラリネット協奏曲を捧げている。
11歳から作曲の勉強を始め、継続的にヘンツェやヒラー、リームらに師事。作曲家としてはザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭、ウィーン・コンツェルトハウス、クリーヴランド管弦楽団などのコンポーザー・イン・レジデンスを務めた。近年の代表作にはオラトリオ《箱舟》、《ヴィオラ協奏曲》、《葬送行進曲》、歌劇《バビロン》などがある。2018年3月にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスにて新作(ゲヴァントハウス管弦楽団/ボストン交響楽団共同委嘱)、同年4月にはバンベルク・コンサート・ホールにて、バリトンとオーケストラのための《Das heiße Herz》が初演される。