日めくりオントモ語録/ラデク・バボラーク
ホルンは私を育ててくれた大切な楽器であり、止めません。よい形で二刀流ができればいいです
――ラデク・バボラーク「音楽の友」2018年7月号より
ホルン奏者として、すでに世界的名手として有名なラデク・バボラークだが、指揮者としても、はやくもマエストロぶりを発揮している。彼の二刀流は宮本武蔵の精神だった!
「彼は、技を磨くためにすべてを鍛錬に打ち込み、誰にも仕えず、一匹狼のような人生を送ったというイメージがあります。その武蔵に私ごときを比べることはできませんが、一つ挙げると、ベルリン・フィルなら死ぬまで黄金の“檻”に居られたと思いますが、それは私の目指す方向ではありません。私には武蔵の精神があるのではないか、というと、おこがましいかもしれませんが、私は、唯一の趣味である音楽に、誰にも束縛されずに日々精進して技を磨くのが私の常なのです」と謙虚に語った。
1976年チェコのパルドビツェ生まれ。8歳よりホルンを学び、89年よりプラハ音楽院でベドジフ・ティルシャル教授に師事、みるみるうちに頭角を現していった。プラハ、ジュネーヴ、マルクノイキルヒェンに続き、94年、ミュンヘン国際コンクールで優勝、「美しく柔らかな音色」、「完璧な演奏」、「ホルンの神童」と評されるなど、世界の注目を集める。チェコ・フィル、ミュンヘン・フィル、バンベルク響、ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者を歴任。その他にもサイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管をはじめとする世界のオーケストラにも参加。近年は指揮者としての活躍も目覚ましく、自ら創設したチェコ・シンフォニエッタの定期的なシリーズとレコーディングを開始、ヨーロッパでの客演を重ね、日本でも2013年水戸室内管弦楽団定期演奏会にてデビュー。2015年には新日本フィルハーモニー交響楽団とグリエールのホルン協奏曲をソリスト兼指揮者として演奏。2016/17年には紀尾井シンフォニエッタ、日本フィルハーモニー交響楽団、山形交響楽団、九州交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団にも指揮者として招かれている。また、2018年度から山形交響楽団首席客演指揮者に就任。
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