音楽とともに歩む音大生の卒業後の人生とは?
音大に進学したらその先どうなるのだろう? 演奏家や研究者になれる人は一握りと聞くのだけれど? そんな不安を持つ人も多いと思います。ここでは、音大を卒業した方のさまざまな生き方を紹介しながら、そんな疑問に答えます。
*記事は内容の更新を行っている場合もありますが、基本的には上記日付時点での情報となりますのでご注意ください。
執筆:堀内亮(音楽大学講師)、荒木淑子(音楽ライター)、各編集グループスタッフ。音楽之友社および『音楽大学・学校案内』編集グループは、1958年に年度刊行書籍『音楽大...
演奏活動をして生きてゆく
ヴァイオリンを例にしましょう。五嶋みどりさん、諏訪内晶子さん、樫本大進さんなど世界的演奏家になれる人は、わずかです。でも、オーケストラの団員なら、もちろん狭き門ですが、ソリストよりは活躍する人数ははるかに多いです。
また、音楽教室の講師やその他の仕事を持ちながら演奏活動を続けている人も多くいます。一般の会社に就職して、休日などにボランティアで障がい者施設や介護施設で慰問演奏を行う人もいます。さまざまなかたちで、音大で磨いたあなたの演奏で人に感動や生きる勇気を与え続けることは可能なのです。
音楽を教える道を歩む
音楽を教える道も多々あります。音大・音高の教員であれば、将来の音楽家を直接育てることができます。小・中・普通科高校の教員であれば、生徒に音楽の素晴らしさに気付いてもらう最初のきっかけを与えることもあるかもしれません。
また、音楽教室の先生であれば、子どもさんの成長を見守り夢の実現の手助けができますし、趣味として楽器を習う大人の彩りある人生のためのサポートができます。音楽療法を学べば、特別支援学校で教えたり、病気の人の力になることも可能。「教える」ことで、さまざまなかたちで人を幸せにすることができるのです。
音楽関連のビジネス・公務を行う
一般企業や国・自治体などで行われている音楽関連の仕事は、コンサート・舞台制作、アートマネジメント、音響、ホール運営、音楽雑誌・Web・音楽書・楽譜のメディアプロデュース・編集、CD・音源の制作・販売、楽器の製造・小売、TV・ラジオ・Webの音楽番組制作、サブスクなど配信サービスのコンテンツ制作、セミナーや講座の運営など、枚挙にいとまがありません。
昨今では、これらの仕事に従事するためのスキルや教養を養う音大の学部・専攻・コースも急速に増えています。音楽が好きで一生懸命勉強してきたからこそ、アーティストや音楽ファンの気持ちを理解でき、仕事に役立てることができるのです。
好きな音楽に漬かって過ごす4年間はあなたの力・宝となって一生を支える
さて、まだ明確に将来の夢、やりたいことが見つからない人もいると思います。そんなとき、一般の大学に進学して、学業やアルバイト、サークル活動をしながらそれを探すのも、選択肢の一つです。いっぽう、もしあなたが音楽を好きなのであれば、好きなことに4年間どっぷりと漬かるのは、それだけで価値があります。
一生のうち、好きなことだけを追及して過ごせる時間は限られています。一つのことに打ち込んで努力した経験はかけがえのないものです。それは、音楽以外にもさまざまなかたちとなって、あなたを成長させてくれます。くわしくは、「音大生の就職・就活・仕事上の強み、PRポイントは?」をご参照ください。演奏家、教育者、音楽ビジネスに限らず、音楽と関係ない仕事でも、必ずその経験があなたの宝となってあなたを一生支えていくことは間違いありません。
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly