松井咲子の毎日がespressivo! 最終回 いつでも好きな自分に変われる
元AKB48のメンバーで、当時は珍しかった現役音大生のアイドルとして注目された松井咲子さん。得意のピアノを生かして活動の幅を広げてきた彼女が、ずっと一緒だったピアノを通して見えてくる表情豊かな(espressivo)世界、音楽が与えてくれる❛気づき❜について、語っていきます。
ピアノ教育とジャズ・フュージョンを軸に執筆。ピアノ教本研究家として全国で講演を行なう。著作に「ひとりですいすいひける!はじめてのピアチャレ」1〜3、「練習しない子のた...
自分のいいところを100個言えますか?
大人になると誰も自分をほめてくれなくなります。だったら、自分で自分をほめてあげよう。そう思って、自分のいいところをいつも探しています。いまは「汚い言葉づかいをしない」「秘密を守る」「待ち合わせ時間に遅れない」など、自分のいいところを100個言えます(笑)。「あ、いまこういう自分、好きかも」と日々見つけるような感じです。そうなると、性格がどんどん明るくなっていきます。
昔はそんなふうではなくて、誰かと比べられるたびに「私は必要とされていない」と、つい考えてしまう。AKBの総選挙とかダンスの立ち位置とか。東京ドームで踊っていても、すぐ目の前にいるお客さんが選抜メンバーを見ていて、自分のほうは見ていない様子が目に入ることもありました。比べられて「やってやるぞ、メラメラ」みたいには思えなくて、「また……」とため息が出る。毎日、下を向いて歩いていた記憶があります。
もちろん、集団の中にいるから目覚めることもあって、この連載でも以前にお話ししましたが、MCでみんなの話を引き出そう、と思ったのはAKBの中にいたからですね。
AKBにいたころは、仲間といつも相談してフォローしあっていたけれど、卒業すると決まってからは「これからは何があってもひとりで解決しなきゃ」と決意したのを覚えています。ひとりになってからは、いいことも悪いことも含めて自分を見てもらえる場面が増えて、「あ、ちゃんと見てくれる人がいるんだ」と気づくことができました。ネガティブなことは口にしないようになりましたし、いまのほうがすごく楽観的に考えられます。
人にどう見られるかより自分がどうなりたいか
以前は、「自虐で笑いを取る」みたいなこともありました。「私は全然かわいくないから」「王道アイドルじゃないから」と自分を落として笑いをとるんです。でも、20代後半になって「そういうことをする必要はないし、応援してくれている人に失礼。自分を落とすのはやめよう」と気づくことができて、スーパーポジティブになりました。
また、「年齢を重ねたからといって、必ずしもアイドルをやめる必要はない」と考えるようにもなりました。どうしても年齢が上のメンバーは「おばさん」といじられたりします。AKBではゆきりんさん(柏木由紀)が30歳を超えても続けていて、ずっとそのままいてほしいなと思います。いまでは結婚をしてもアイドルを続けている方も多いので、時代の変化を感じつつも、もっとそういう方が増えたらいいなあとも思っています。
昔から応援してくれている方は、私がいまこんなに明るくてポジティブなのを見て驚いているに違いないと思います。「今からでも変われるんだよ」ということを、いまネガティブな気持ちの人には教えてあげたいです。
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