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2025.02.17
名曲解説100

30秒でわかるベートーヴェン:交響曲第7番

ベートーヴェン:交響曲第7番について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)が中期から後期への過渡期に生み出したこの交響曲は、リズムという面に特別の重きを置いている点に特色があります。すなわち特定のリズム・パターンを反復させる手法を曲の主たる構成原理としつつ、リズムの持つ根源的な生命力を前面に打ち出したきわめてユニークな作品です。のちにワーグナーが「舞踏の神格化」と評したことはこの交響曲の特質を巧みに言い当てているといえるでしょう。

第1楽章にしても、充実した序奏に続くソナタ形式の主部では付点リズムの躍動感を生かした生き生きとした発展が繰り広げられています。アレグレットの第2楽章は最初から最後までタータタ・ターターというごく単純なリズムが執拗に繰り返されていきますが、それでいて決して単調に陥ることなく、表情の変化に富んだ音楽が生み出されていくところが流石です。

第3楽章は跳びはねるようなリズムのスケルツォとなだらかなトリオが対照されます。そして最後はまさにめくるめくリズムで推進する力感に満ちたフィナーレで、その昂揚感溢れる激しいリズム感は、19世紀のロックンロールといってもよいかもしれません。

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

作曲年: 1811〜12年

演奏時間: 約40分

編成: フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部

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