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2025.05.10
名曲解説100

30秒でわかるショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズについて30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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フレデリック・ショパン(1810~49)が母国ポーランドを離れて間もない時期に作曲したこの曲は、題の中の“華麗なる”という語が示しているように、ピアニスティックな華やかさを打ち出した作品です。それはこの時期の彼が異国でピアニストとして自分をアピールしようとしていたことと関わりがあるといえるでしょう。

曲は前半のアンダンテ・スピアナート部分と後半のポロネーズ部分からなりますが、先に後半のポロネーズ部分が管弦楽伴奏付きのピアノ曲として書かれ、その後前半のピアノのみによるアンダンテ・スピアナート部分が書かれました。ただポロネーズ部分もピアノ独奏だけで弾けるようになっており、一般には管弦楽を伴う形よりも全曲通してピアノのみで弾かれる機会のほうがはるかに多くなっています。

スピアナート(“落ち着いた、滑らかな”の意味)という表記どおりの穏やかな叙情に満ちた前半のアンダンテ・スピアナート部分と、絢爛たるピアノの技巧を生かした華麗なポロネーズが好一対を成す演奏効果の高い作品です。

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22

作曲年:1830~31年(ポロネーズ部分)、1834年(アンダンテ・スピアナート部分)

演奏時間:約13分

編成:ピアノ

(管弦楽付き版)フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2,トロンボーン1、ティンパニ、弦5部、独奏ピアノ

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