2022.09.30
ただいまショパン第22回
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22――ショパン最後のコンチェルト作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
ピアノ独奏版
《華麗なる大ポロネーズ》の部分は1830年から35年にかけて作られ、これに《アンダンテ・スピアナート》が1834年に加えられた。ピアノとオーケストラ作品の第6曲目だが、現在はピアノだけで演奏される場合が多い。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)223ページより
ショパンがピアノとオーケストラのために書いた最後の作品です。1835年4月26日にショパン自身のピアノ、フランスにベートーヴェンの交響曲を広めたフランソワ・アントワヌ・アブネックの指揮、パリ音楽院管弦楽団(現在のパリ管弦楽団の前身)の演奏で、パリ音楽院のホールで初演されました。
ピアノ独奏版はショパン自身が編曲し、オーケストラ版と同時に出版されています。
イタリア語で「滑らかに」を意味するスピアナートが付け加えられたアンダンテの部分は、オーケストラ版でもピアノだけで演奏されます。後半のポロネーズはブリランテ「華麗な」の名の通り、非常に華やかな音楽です。
作品はピアノの生徒のひとりであった、フランセス・サラ・デステ男爵夫人に献呈されています。
作品紹介
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
作曲年代:1830-35(ショパン20-25歳)
出版:1836年
献呈:Frances Sarah d’Est
ただいまショパン
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
2023.02.24
3つのワルツ Op.64(第6《子犬のワルツ》、7、8番)――別れの手紙
2023.02.22
3つのマズルカOp.63――生前に出版された最後のマズルカ
2023.02.17
2つの夜想曲Op.62——生前に出版された最後のノクターン
2023.02.15
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61――ノアンで過ごす最後の夏
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2025.06.21
音楽やガジェットで更年期を乗り切る!飯田有抄のウェルビーイング術
2025.06.19
今週の音楽家の名言【ピアニスト マルティン・ガルシア・ガルシア】
2025.06.18
沖澤のどか「常任指揮者の経験を通してオーケストラの音の聴き方が変わった」
2025.06.18
パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌2025~若き才能と巨匠が響き合う...
2025.06.18
2025北九州国際音楽祭〜「Spark!今、この瞬間に-」ジャンルを超えた共演か...
2025.06.17
水戸室内管弦楽団定期にマルタ・アルゲリッチ登場!多彩な語り口で聴衆を魅了
2025.06.17
伊福部昭総進撃 キング伊福部まつりの夕べ~伊福部昭の幅広い業績を振り返る歴史的公...
2025.06.16
新日本フィルハーモニー交響楽団ヴァイオリン奏者・矢部咲紀子さん「フォアシュピラー...