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2025.06.09
名曲解説100

30秒でわかるサン=サーンス:《白鳥》

サン=サーンス:《白鳥》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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近代フランス音楽の基礎を築いたカミーユ・サン=サーンス(1835~1921)は、古典的な端正さの一方で、華麗かつ色彩的な一面を備え、またロマン的な情感の豊かさの一方で鋭い機知を併せ持った作曲家でした。

全14曲からなる組曲《動物の謝肉祭》は風刺的な面を前面に出した作品という点で、彼の作品の中でもやや特殊なものですが、そのユーモアあふれる洒落た感覚ゆえに広く親しまれています。1曲ごとに動物の巧みな描写をとおしてパロディ精神を発揮した曲が並んでおり、同業者や知人らを動物に見立てて揶揄する意図があったともいわれています。

しかしそうした皮肉を含んだ曲の一方で叙情的な曲も含まれており、とりわけ第13曲〈白鳥〉はアイロニーを感じさせない叙情美に満ちた曲という点で、全曲の中で際立っているといえるでしょう。さざ波のようなピアノ伴奏に乗ってチェロが美しく歌う有名な曲で、単独でもよく取り上げられる名曲です。

サン=サーンス:《白鳥》

作曲年: 1886年

演奏時間: 約3分

編成: チェロ、ピアノ

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1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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