読みもの
2025.03.06

今週の音楽家の名言【ヴァイオリニスト・服部百音】

Webマガジン「ONTOMO」でインタビューをした音楽家の記事から、心に響く名言をお届けします。今週はヴァイオリニスト・服部百音さんの名言をどうぞ。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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超絶技巧を超絶技巧と感じないですむように、超絶技巧にまみれて暮らして超絶技巧に慣れること!

――「ONTOMO」2024.10.23 インタビューより
ヴァイオリニスト4人が選ぶいちばん難しい曲は!? 超絶技巧についてアンケート!

ヴァイオリニストの服部百音さんは、卓越した技術と豊かな表現力を持つ演奏家として知られています。この服部さんの言葉には、日々の鍛錬がいかに重要かが凝縮されています。

服部百音さんの演奏を聴くと、驚異的なテクニックがまるで自然な呼吸のように繰り出されていることに気づきます。その背景には、服部さん自身が語るように、「超絶技巧にまみれて暮らす」という日々の積み重ねがあります。

多くの人にとって「超絶技巧」は特別なものですが、服部さんにとっては日常の一部のようなもの。つまり、難易度の高い技術を、特別なものと意識することなく、あたかも当たり前のことのように扱えるレベルまで体に染み込ませることが、真の意味での習得なのです。

この考え方は、音楽に限らず、あらゆる分野に通じます。スポーツでも、ビジネスでも、あるいは日々の生活の中でも、「難しい」と感じることを繰り返し実践することで、それが自然になっていきます。

服部さんの言葉は、努力を重ねることでしか到達できない境地を示しています。そして、それを「努力」と意識するのではなく、「当たり前」として積み上げることが、真のプロフェッショナルの姿なのでしょう。

超絶技巧の裏には、圧倒的な努力と継続があります。しかし、それを特別視するのではなく、日々の営みの中で当たり前のように身につけること。服部百音さんの言葉は、音楽を学ぶ人だけでなく、何かに挑戦し続けるすべての人への大きなヒントになるのではないでしょうか。

服部百音(はっとり・もね)

1999年生まれ。8歳でオーケストラと共演。
10歳以降さまざまな国際コンクールで優勝やグランプリを受賞し、イタリアでのリサイタルを皮切りに国内外で演奏活動を始める。V・アシュケナージとスイス、イタリア公演。ハチャトリアン音楽祭、トランス・シベリアン音楽祭などにも参加。2020年にはフランツ・リストチェンバーオーケストラとドイツツアーを行うがコロナ禍で帰国。
国内ではN響、都響、東京フィル、日本フィル、読響、新日本フィル他数々の著名オーケストラ、指揮者と共演を重ねている。
2021年にはNHK交響楽団、パーヴォ・ヤルヴィとの共演や翌年のドイツ・カンマーフィルと共演も大好評を博す。 2022年から自身の企画でのコンサート「STORIA」を展開し2024年にはNHK交響楽団、井上道義氏と一晩でショスタコーヴィチの2つのヴァイオリン協奏曲を演奏するという驚異の企画で大成功をおさめた。また日本ではあまり演奏されない名曲の普及にも意欲的に取り組みファジル・サイのソナタの日本初演なども行なった。
使用楽器はグァルネリ・デル・ジェス。

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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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