読みもの
2020.06.15
林田直樹のミニ音楽雑記帳 No.16

無観客配信された熱演をじっくりと~大友直人指揮 東京交響楽団のライブCD

林田直樹
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家

1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

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コロナ以前と以後で、音楽界がまったく変わってしまったなか、個人的に最近もっともよく聴いているのが、3月8日にニコニコ生放送で無観客ライブ配信されて10万人の視聴者を集めて話題になった、東京交響楽団のコンサートを収録したライブCDである。

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これまで、ミューザ川崎シンフォニーホールでの東京交響楽団のレコーディングを数多く手がけてきたオクタヴィアレコードの録音スタッフの力があってこそ、あの日のニコニコ生放送にも、良質なコンディションでしっかりとマイクで捉えた、芯のある美しい音が配信されていたという事実を、このディスクの解説から初めて知った。

それまでにはなかった異常な状況下で、無観客ライブという選択を取らざるを得なかった東京交響楽団が、持ち前の豊麗なアンサンブルを発揮しながら、どれほど真剣な、燃えるような演奏を繰り広げていたかが、ここには優秀録音によって見事に収められている。

「コロナ以前」のオーケストラの最後の輝きを伝えるこの演奏を聴くと、改めて思う。何と素晴らしいオーケストラ文化を、当たり前のように私たちは手にしていたのか、と。そのかけがえのなさを、今一度確かめておく上でも、これは感慨深い、特別なディスクである。

林田直樹
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家

1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

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