イベント
2022.09.17
10月11日(火)紀尾井ホールで開催!

ヴァイオリニスト礒絵里子がデビュー25周年記念公演 2つの《四季》を豪華メンバーと

ソリストとしてはもちろん、室内楽奏者としても様々なユニットを結成し、幅広い活躍を続けるヴァイオリニストの礒絵里子さん。今年デビュー25周年を迎え、ヴィヴァルディとピアソラ、ふたりの作曲家による《四季》に挑むという。

長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

©FUKAYA Yoshinobu_auraY2

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素晴らしい奏者たちとの 一夜かぎりのアンサンブル

――これまで様々な楽曲に取り組まれてきた礒さんですが、今回《四季》を選ばれたのはなぜだったのでしょうか。

 10周年以降、5年ごとに自主公演を行なってきました。前回(20周年)はブラームスのソナタ全曲、その前(15周年)は1920年代のパリを彩った作品を選びましたが、常にその時にやりたいものをやりたいようにやらせていただく、というのをモットーにしています。

そこで今回は、この25年の間に幾度も取り上げてきたヴィヴァルディと、ここ10年ほどオーケストラの一員としてよく演奏してきて、ソロで全曲演奏することに憧れのあったピアソラを選びました。

――これまでのリサイタルではピアノとのデュオでしたが、今回は初めて合奏団を率いての演奏ですね。

 清水の舞台から飛び降りるような気持ちで決断しましたね(笑)。メンバーは今回「特別編成合奏団」という名前の通り、本当に特別で素晴らしい奏者に集まっていただきました。今回限りの濃厚なアンサンブルができると思います。

自分と向き合う時間から 新たなアイディアが湧いてきた

――今回コンサートマスターを務める神谷未穂さんは、礒さんと「Duo Prima(デュオプリマ)」などのアンサンブルも組んでいらっしゃいますし、ひじょうに共演の機会の多い方ですね。

 小さいころから一緒に学び、常に切磋琢磨してきました。今回の特別編成合奏団はほぼ私がお声がけをしたメンバーで、最近とくに共演機会の多い新倉瞳さん(チェロ)など、信頼のおける奏者ばかりです。

一方で、ヴァイオリンの大光嘉理人さんは神谷さんが推薦してくれた方で、今回初共演です。新しい出会いにも胸が躍ります。

――年齢層も幅広く、とても色彩豊かな音色が響くことでしょうね!

 先輩から20代の方まで本当に幅広いですね。でも音楽の前では年齢は関係ありません。みんなでお互いの音を聴き合って、ひとつのものを作り上げていきたいです。それこそアンサンブルの醍醐味ですよね。

――ヴィヴァルディは幾度も演奏してきたと仰っていましたが、解釈などはやはりどんどん変化しているのでしょうか?

 ここ数年は寝かせていましたし、とくに2年前などはコロナ禍の影響もあって自分と向き合う時間が多く取れたこともあって、いま新しいアイディアが湧いているところです。これまで私の《四季》を聴いてきてくださった方にも、新しいものをお届けできると思います。

――ピアソラの《ブエノスアイレスの四季》を全曲演奏するのは初めてということで、多くの人の心を捉えそうですね!

 曲の至る所にそれぞれの楽器の見せ場がありますし、ヴィヴァルディの《四季》のモティーフも聞こえてくるので、二つの作品を同時に演奏できるのはとてもいい機会になると思います。

日本を代表するアーティストがそろった「特別編成合奏団」なので、ぜひその音色を、名曲を通して存分に味わっていただきたいですね。せっかくの機会ですから、ライヴ録音もしたいと計画を進めているところです。

礒絵里子Eriko Iso:桐朋学園大学卒業後、ブリュッセル王立音楽院に留学し首席修了。マリア・カナルス国際コンクール他多数入賞。オーケストラとの共演や、宮崎国際音楽祭へは毎年参加、アウトリーチ活動にも取り組むなど多彩な演奏活動を展開。確かな技量に基づいたヨーロッパ仕込みの洗練された感性には定評があり、ソロ活動に加え室内楽(デュオプリマ、アンサンブルΦ、椿三重奏団)でも活躍中。2020年リリースの椿三重奏団のCDは「レコード芸術」誌特選盤に選出された©FUKAYA Yoshinobu_auraY2

30周年も、その先も いつまでもヴァイオリンを弾き続けていたい

――前回からの5年間で変化したことはありますか?

 コロナ禍で通常よりかなり時間が取れたこともあって、ここ最近はかなり自分を見つめなおすことができました。無理なく演奏することができるようになってきたなと感じています。とても大変ではありましたが、今思うといい時間でしたね。

今はとにかくこの25周年記念コンサートに向き合っているところなので、今後の具体的なプランなどはまだですが、これからもヴァイオリンをずっと弾き続けていきたいですし、定期的に自主公演も行なっていきたいです。

多彩な演奏活動に加え、アウトリーチ活動(こちらも今年20周年を迎えた!)にも熱心に取り組む礒。さらに進化し続けていく彼女が、今だからこそ届けたいという2つの《四季》、注目せずにはいられない。

公演情報
礒絵里子 with Friends~2つの「四季」

日時:2022年10月11日(火)18:30開演

会場:紀尾井ホール

出演:礒絵里子(ヴァイオリン)

[特別編成合奏団]

大光嘉理人、城戸かれん、小泉百合香、佐份利恭子、中島麻(ヴァイオリン)/三浦克之、柳瀬省太(ヴィオラ)/海野幹雄、新倉瞳(チェロ)/加藤雄太(コントラバス)/西山まりえ(チェンバロ)

曲目:A.ピアソラ(L.デシャトニコフ編)《ブエノスアイレスの四季》、A.ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲集“和声と創意の試み”Op.8《四季》」

チケット(全席指定):5,000円

問合せ:株式会社イチマルマルニ 03-3264-0244

 

長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

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