落合陽一×日本フィルのプロジェクト第4弾《__する音楽会》が意図することとは?
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
日本フィルは、落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトVOL.4《__する音楽会》を10月13日(火)に開催する。去る8月18日には記者会見が開かれ、登壇者から音楽会の企画やその意図が明かされた。
メディアアーティストの落合陽一が演出を務める日本フィルとのプロジェクトは、2018年から「テクノロジーによってオーケストラを再構築する」というテーマのもと、オーケストラの音楽会に対してメディアアートには何ができるのか、人間が生音を奏でてきた数百年の歴史に対して、デジタルがどう介入できるのかを模索しながら、進めてきたという。
振動や光で表現できるデバイスとともに楽しむVOL.1《耳で聴かない音楽会》、映像や空間そのものが楽器になるVOL.2《変態する音楽会》、あえて過剰なまでにインタラクティブな映像を演出したVOL.3《交錯する音楽会》と、毎回そのキャッチーなタイトルからの期待感を裏切らない、新しいコンサート体験を提供してきた。
第4弾の公演名《__する音楽会》の「__する」は、コロナ禍で一度は予定されていた企画が白紙になったこと、その後、「with コロナの新たなオーケストラ様式」を試行錯誤していることが表わされ、「名前は当日までわからない」という。
曲目は、これまでと同様、すべては明かされず、ベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章と、スペイン風邪が流行っていた1918年にストラヴィンスキーが作曲した「兵士の物語」(組曲版、演出付き、劇はなし)のほか、これら19、20世紀の作品と時代が違う曲目になり、歴史を追体験していけるよう趣向を凝らす。
指揮は海老原光、ビジュアル演出は前回から参加している“映像の奏者”、WOWの近藤樹。ライブでつくっていく映像で「オーケストラの一員」のようになれればと話す。
落合陽一×日本フィル プロジェクトVOL.3 第2夜《交錯する音楽会》のダイジェスト映像
今回は、コンサート鑑賞券とオンライン視聴券が用意され、どちらも同じ料金6000円(コンサートはS席の料金)。まったく別の体験になるが、同等の価値があるという意気込みが示された。
さらに、クラウドファンディングのリターンとして、8Kカメラで撮影、ハイレゾ収録されたアーカイブ記録媒体も用意される。オンラインでもライブ配信(10月13日)と再配信(10月24日)のみ、アーカイブ配信はないという一回性を大事にした音楽会を「保存」しておいて、のちに高解像度の映像で、コロナ禍のこの試行錯誤された音楽会を振り返ることができる。
日時: 2020年10月13日(火)19:00開演/20:45終演(予定)
会場: 東京芸術劇場 コンサートホール
プログラム:
- ベートーヴェン「交響曲第7番」第4楽章
- ストラヴィンスキー「兵士の物語」(組曲版、演出付き)
料金:
- オンライン視聴券 6,000円
- コンサート鑑賞券(10月13日、24日別売) S席 6,000円 A席 5,000円、25才以下&ダイバシティ席 3,500円(すべて税込)
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