ラトル&ロンドン交響楽団、バルトーク「青ひげ公の城」を2日間限定で日本先行配信!
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
今秋の日本ツアーをキャンセルしたサイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団(LSO)が、バルトークのオペラ「青ひげ公の城」を、10月23日(金)20時より2日間限定で日本先行配信する。キャストは、青ひげ公役がジェラルド・フィンリー、ユディット役がカレン・カーギル。
特設サイトは、配信コンサートのみならず、独自記事やインタヴューなども盛り込まれたものとなる。
このプロジェクトは「LSO Always Together Project」と銘打たれているが、このネーミングには、「聴衆との結びつきを決して失いたくない」という彼らの基本姿勢がよく表れている。
ロンドン交響楽団の音楽監督、サイモン・ラトルからのメッセージ
思えば、LSOこそ、いまや世界中のオーケストラがおこなっている教育活動・アウトリーチの先駆者であり、震源地であった。
映画音楽との積極的なコラボレーションしかり、オーケストラ自主レーベルによるCD制作しかり。ファシリテーターという言葉を最初に積極的に使いだしたのも、LSO出身の音楽教育活動家マイケル・スペンサーである。新しい動きは常にLSOから始まってきた。
ロンドン交響楽団が演奏する映画『スターウォーズ』のテーマ
コロナ禍の時代に置いて、LSOがどう動くかというのは、オーケストラ界の今後を占ううえでも、もっとも注目されるところなのである。
付言すると、LSOは世界でもっとも強力な自主運営オーケストラのひとつであり、団員の運営への発言権は極めて強い。10年ほど前、「LSO live」レーベルの創業者で楽団幹部の一人でもあったチャズ・ジェンキンズ(当時)は、こんなコメントを語ってくれたことがある。
「私たちの民主的伝統についてですが、要するに所有されるのが嫌なのです。事務方ではなく、我々が演奏レパートリーを選びたい。LSOは経営者に雇われるのではなく、オーケストラのメンバーが経営者を雇うのです。オーケストラの人事権は、各楽器セクションが持ちます。首席指揮者といえども発言力はそれほど大きくありません。そして新入団員はメンバーになると同時に株主になり、ベテランと同等の発言力を持つのです」
「所有されるのが嫌」「経営者を音楽家が雇う」。普通の会社とは大きく異なる、この意識こそが、LSOを世界のオーケストラ界のリーダーたらしてめている一つの理由かもしれない。
日時: 2020年10月23日(金)20:00配信開始
※ 2020年10月25日(日)19:59までの限定公開
プログラム: バルトーク:オペラ《青ひげ公の城》 コンサート形式(2020年9月収録)
出演: サー・サイモン・ラトル指揮 / ロンドン交響楽団
青ひげ公:ジェラルド・フィンリー(バリトン)/ユディット:カレン・カーギル(メゾ・ソプラノ)
会場: KAJIMOTO YouTubeチャンネル(プレミア公開)
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