マドモアゼル・シャネルの精神と若手音楽家を育てるピグマリオン・デイズの取り組み
シャネル・ネクサス・ホールで毎年開催される、若手音楽家による「シャネル・ピグマリオン・デイズ」。日本独自のこの取り組みについて、参加アーティストのインタビューを担当してきた小田島久恵さんがナビゲート! さらに、シャネルにもブランドと音楽の関わりについてメールインタビューをしました。
岩手県出身。地元の大学で美術を学び、23歳で上京。雑誌『ロッキング・オン』で2年間編集をつとめたあとフリーに。ロック、ポップス、演劇、映画、ミュージカル、ダンス、バレ...
若手音楽家を支援したマドモアゼル・シャネルのDNA
ハイブランドが軒を連ねる銀座の華やかな街並みの中でも、カルティエ、ブルガリ、シャネル、ルイ・ヴィトンが四つ角に旗艦店を構える銀座1丁目の交差点は、格別にノーブルな雰囲気が漂う。シャネル・ネクサス・ホールは、現在のシャネル銀座ビルディングが建設されたとき、日本のCEO(当時)のリシャール・コラス氏が「文化的なイベントのためのスペースを作ろう」と発案して設計されたもの。
2004年12月にビルのオープンとともに「シャネル・ピグマリオン・デイズ」の活動がスタートし、多くのクラシックの若手アーティストのデビューの場となってきた。
これから本格的にプロとして活動する彼らが、1年に5回から6回のリサイタルをここで行なうことで、審美眼の高い聴衆にもまれて成長していくのである。世界中のシャネルの中でも、銀座ビルのような活動をしている場所は他になく、その意味でも唯一無二である。
“シャネルはピグマリオン。人の才能を引き出すのが上手。”
これはシャネルと親しくしていた心理学者、クロード・ドレイの言葉です。
ピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場する彫刻の名人です。自分が掘った美女の像に恋し、その思いの大きさから、ついには神からその像に命が与えられたことが転じて、才能を信じ、応援・支援して、開花させる人のことを意味します。
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