スターダスト☆レビュー根本要が37年間ライブツアーし続ける原動力とは?
今回登場いただくのは、スターダスト☆レビューのリーダー、根本要さん。1981年に『STARDUST REVUE』でデビューし、37年間、メンバーも変わらず、活動休止もせず、ましてや解散・再結成などを繰り返すこともなく、ライブツアーを年間50本から80本敢行する、日本屈指のライブバンドが、スタ☆レビ。
インタビューは彼らと知り合って31年、当時週刊FMの編集を担当し、87年にライブを初めて聴いて以来の付き合いになる大谷が務めることになった。
ライブツアーをやらない年はない
のっけから「大谷さん自らインタビューですか?(笑)。昔からお世話になっているし、久しぶりにいろいろ話したいですね」とフレンドリーに話しはじめる、スターダスト☆レビュー(以下スタ☆レビ)のリーダー、根本要氏。37年間ライブツアーをやらない年はないほど1年中演奏活動をしており、その動員力もすごい。
根本 大谷さんが初めて見に来てくれたのは、1987年7月の大阪城ホールでしたね。そう、“ONE NIGHT SOUVENIR HEY, COME ON!”というタイトルで、日本武道館ホールと大阪城ホール各1回だけのライブでした。
実はそれまで、「スタ☆レビはアリーナクラスのライブはやらない」って宣言してたんです。それがあの前の年に、あるアーティストの大阪城ホールのスケジュールがキャンセルになり、急きょ僕たちがやることになった。それが初のアリーナ公演でした。当日、ア・カペラで《今夜だけきっと》をステージの階段上のセットの最上階から降りながら歌いましたが、スポットライトが会場を映し出したとき「おいおい すげ~な! 気持ちいいな」と。それから7、8年間は大阪城ホールと武道館を2、3日ずつやっていましたね(笑)。でもやっぱり、1500人くらいのコンサートホールが一番気持ちいいです。
ライブ活動をバンドの信条とするスタ☆レビ。数々のホールや、とりわけ意に反して(?)アリーナクラスのライブもこなすのに、意外な発言が飛び出した。
根本 僕は、来てくれた方をお客様というより、一緒にライブを作ってくれる人たちと思っているので、一緒に歌ったり手拍子したり、会場の雰囲気を作ってもらうんです。だからスタ☆レビのライブはアットホームな感じがするんでしょうね。お客さんからお金もらっておいて何ですけど(笑)。
スタ☆レビらしさを打ち出したライブ
今回のオリジナル・アルバム『還暦少年』は39作目。これだけの実績を誇るスタ☆レビが、自分たちはライブバンドと言い切る。
【初回限定盤(CD+DVD)】COZP-1456-1457 3,611円+税
【通常盤(CD)】COCP40399 2,870円+税
根本 ライブは日常。とにかくライブが好きなんです。だからアルバム制作は全国ツアー・ライブをやる口実ですね(笑)。ライブって自分の音楽観が一番出せるし、何よりも楽しい。多少体調の変化があっても、一度たりとも辛い、やりたくないなんて思ったことがない。ライブあっての音楽活動ですよ。それがバンドの継続に繋がっているんでしょうね。
ライブでの工夫とか意識していることはある?
根本 コンサートをやるうえで大切にしていることは、何を目的にするか、何をそこから見つけたいかです。実は、デビューして10年くらいはメンバーとスタッフで事前に念入りにミーティングして、喧々諤々の討論をやってたんだけど、結局まとまらないことが多くて。結局、僕と数人のスタッフで、ライブのテーマとか選曲を絞り込んでいくようになりました。台本とかも綿密には作らず、臨機応変に変えたりすることで、スタ☆レビらしいコンサートに落ち着くんです。まあ、正直ルックス重視のバンドじゃないから何でもできるし(笑)、お客さんもそれを楽しんでくれていると思います。
スタ☆レビのライブは一方的に音楽を伝えるより、むしろ参加型でコール&レスポンスも多いし、MCも長いし、偉そうに言えば、エンタテインメント性がかなり高いと思います。でも、これって最初から目指していた訳じゃなくて、気がついたらこんな形ができあがっていたという感じ。経験から学んだものですね。僕のMCはいわばストーリーテーラーというかガイド役、コンサートの道筋を説明する役回りですね。
これは憶測的な数字だが、彼らを日本屈指のライブバンドだという根拠には、37年間休む年がなく、おそらく延べ2500回に迫る回数をこなしていることがある。実はかれらはギネスにも記録がある。2001年、“つま恋100曲ライブ”で101曲演奏し、“24時間でグループによるもっとも多く演奏された”、ということで世界記録に認定されている。
バンドとしての音楽を聴いてほしい
バンドのことだけでなく、根本要さん個人にもスポットを当ててみたい。
根本 スタ☆レビは僕の分身みたいなもの。僕の考えるそのときそのときのスタ☆レビを、メンバーやスタッフに説明しながら、修正構築していっているんです。
僕の音楽に一番必要なのは人です。音楽が人と僕を繋げていってくれるんです。それこそが僕の一番やりたいことで、だから37年間一度も休みたいと思ったことがない(笑)。確かにアルバム制作とか大変だけど、そのあとに全国ツアーが待っていると思えばいくらでも頑張れる(笑)。
えっ1ヶ月休みがあったら? 困ったな、いや1週間でいいです。でも、今はスタ☆レビのパーソナルオフィスなので、自分の気持ちも体調もスタッフが汲んでくれて、何があっても即決できる環境になったのでストレスもないし、何よりスタ☆レビというバンドの可能性が膨らみましたね。
リーダーとして気を使うことは?
根本 音楽の一般的な聴き方として、どうしてもヴォーカリストに耳がいってしまうものです。でもスタ☆レビとしては演奏もコーラスもちゃんと聴いてもらえるように、たとえばア・カペラだったり、曲中の各パートのソロを入れたり、かつ僕はMCもやっているので、メンバーのキャラが上手く出るようには工夫しています。やっぱりバンドですからね。
そういう意味では、うちのお客さんは曲の最後までしっかりと演奏を聴いてから拍手をしてくれますね。バンドだから平等に、といいつつ、どうしてもヴォーカリストが目立っちゃうものです。だから、その目立つ側の人間がちゃんと他に目がいくように促していけば、いいバランスが生まれるはずなんですよね。
根本要氏は、実に気配りのある人でそれが自然でさりげない。インタビュー時もそうだが、メンバーに対して、スタッフに対して、そしてお客にも。そこが不動のメンバーで活動を続けている秘訣なのか。そして、観客動員が増え続けている背景に彼の人柄も要因にあるのかもしれない。そして彼の周りには多くのミュージシャンが集まる。
歌に新たな音楽観が加わって
歌(詞)とギターに関しては意外な話がでてきた。
根本 僕は、暇さえあれば、というか5分でも10分でも時間があればどこででもギターを弾いていますね。ホント四六時中。でも別に練習なんかじゃなく、楽しみごとなんです。移動のツアーバスの中でもホテルでも。ただ騒音は気をつけますね。音で周りに迷惑かけちゃうから。バスのときもメンバー、スタッフで寝る人もいるから、前のほうに座って好き勝手に弾いています。単純にもっと上手くなりたいんです。
それに比べると、歌は自分のためじゃない、100%聴いてくれる人のために歌ってる気がします。でも歌の練習はしたことないんです。っていうか、いろんな曲を聴くことが一番の練習だと思っているのかもしれませんね(笑)。
子どもの頃から洋楽育ちで、曲作りはいつもメロディからでした。歌詞はそれほど意識をしていませんでしたね。サウンドに合った歌詞があればいいという気持ちでした。とにかくカッコいい曲を作りたかった。そんな中、歌詞の重要性に気づきはじめたのが約20年前、連れて行かれたカラオケでいろんな歌手の詩を眺めていて気づいたんです(笑)。これは渡りに船でしたね。自分でもプロとし15年くらいやりながら、その上を目指そうとしていたときの気づきでしたからね。
新たな音楽観も加わり、『艶』あたりから自分でも詞を書き始めました。歌詞の内容もサウンドや雰囲気に合わせたものから、今自分が考えていることや伝えたいことに変わりました。この詩の中にどれだけ自分がいるのかを大事にするようになったんです。その頃から、やっと自分の詞が好きになりましたね。
すかさず「要さん、歌うまいし練習する必要ないから」と口をはさむと……
根本 大谷さん、違うんです。毎回コンサートではキーが外れないように、間違えないように、音程がずれないようにとか、そんなことばかりです(笑)。僕の歌はまだまだです。必要に迫られて歌うようになって、幸い僕は分析魔だったので、こうやったらうまく聴こえるとか、こうやったらヘタに聴こえるとか。カラオケを歌う人から学びました(笑)。
僕は有り難いことに、ちょっと変な声だからもともと特徴あるし、それがヘタを多少隠してくれたんでしょうね。でも声は年齢に従って変化するんです。声帯が変わるのでしょう。だから変化を受け入れながら、今をちゃんと保てるように自分なりに日々工夫してます。そのお陰で、デビュー当時のキーで今も歌えていますよ。
自由度のある音楽に魅力
要さんは大の映画ファンで自宅には本格的な5.1chプロジェクターを備えており、自身、本『とっても映像解体新書』も刊行している。その要さんに、映画音楽への関心とやりたい音楽を聞いてみた。
根本 映画は大好きでCDだけでなく、映像ソフトライブラリーも特注で棚を作ったけど、もう入りきらないほど持ってます。ただ映画音楽にはあんまり関心がないですね。あくまでも鑑賞派です。
やりたい音楽?(ニヤッと微笑み)それは圧倒的にジャズをやりたい。まぁできないことを承知で言ってますが(笑)、ジャズは大好きです。僕が学んできた音楽は、アカデミックなのものではなく、譜面もなくて、口ずさんだものをメロディにしてアレンジしての世界でした。ジャズが好きなのは、音楽的な理論も踏まえたうえで、それでいて自由度があるのがいいですね。ちゃんと学べばいいんでしょうが、ただの憧れで、それに対しての努力はしないでしょうね(笑)。
最近聴いているのがジミー・へリングとかジョン・ヘリントンです。あまり知られていないと思いますが、ジミ・ヘンとかクラプトンみたいにロックのスタイルを確立し、完成されているアーティストより、何でもありの魅力で惹かれます。1曲でも参加しているアルバムは探して全部買っちゃいます(笑)。
ツアー中の楽屋にも持ち込みたいCDR1
根本 仕事柄いつでも音楽は聴いてます。移動中でも。そのときはヘッドフォンがほとんど。あまりスピーカーを鳴らしては少ないです。家や楽屋はBGM的に音楽流しているけれど、あまり音にはこだわらないタイプでした。ちゃんと聴くとなると、大きなスピーカーで、それなりの音量を出さないと良さが出ない場合がほとんどですからね。
だけど、このイクリプスCDR1を知って、もちろん家で聴くことが中心ですが、ホントにバランスいいし、小さい音でも上から下まで、しかも分離がすごくいい。持ち運びも手軽だし、何よりずっと聴いていても全然疲れない。ツアー中の楽屋でも、CDR1を使いたくて、今スタッフに検討してもらってます。
僕が一番気にするのは音のバランス。CDR1は全部の音が綺麗に前に出てくるし、上も下も微調整なくストレートで実にいい音をだしてくれる。特にベースとドラムが気になるタイプなんだけど、普通小さい音だと隠れてしまう帯域が、CDR1は小さい音でもバランス良く鳴ってくれる。コンパクトでサイズ的にもベストです。
僕は決してオーディオマニアじゃないけど、アルバム制作中にスタジオで聴く音の独特な音像が、このCDR1でもちゃんと感じられるのが嬉しいですね。実を言うと、家で聴くオーディオは多少諦めていた感があったけど、そういう意味でもすごい出会いでした。
今回の「還暦少年」のツアーにも、なんとこのCDR1が登場する。一体どんな場面で登場するのか、ぜひあなたも会場でご確認ください。やっぱりスタ☆レビはライブが最高。スタレビのいい音、あなたのいい音、CDR1のいい音、楽しんで下さい。
日程: ただいま全国ツアー中! 2019年6月までの公演スケジュールは、スタ☆レビの公式サイトで随時更新。
チケット料金: 全席指定 6,900円
※ジュニア(25歳以下)、シニア(65歳以上)割引: 5,900円(公演日に年齢確認できるものを持参のうえキャッシュバック)
※障がい者割引: 5,900円(障がい者1名につき介助者1名。公演日に障がい者手帳を持参のうえキャッシュバック)
※ジュニア・シニア割引と障がい者割引の併用不可
※未就学児入場不可
問い合わせ: FLAPPER CLUB Tel. 03-5426-0281(月~金14:00~18:00)
JFN『要のある音楽』(日本全国25局ネット)
FM Nack5 79.5M㎐『NACK de ROCK』毎週月曜日24時~25時
FM COCOLO 76.5M㎐『KANと要のWabi-Sabiナイト』毎週土曜日17時~18時
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