おやすみ前のリラックスタイムをクラシックがサポート! やさしさや静けさを感じる楽曲をセレクト
国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...
5月は気温の変化も大きく、連休明けの疲れもなかなか取れなかった…という方が多かったのではないでしょうか。疲れをとるためにとても大切なのは睡眠。そして質のいい睡眠をとるためには、眠る前のリラックスタイムをどう過ごすかにかかっています。忙しい日々のなかで、そっとスマートフォンやテレビなどの画面から離れて、美しい音楽に耳を澄ませてゆったりと過ごす時間をもってみてはいかがでしょうか。
今回は素敵な時間のおともに最適なピアノ、ギター、ヴァイオリンを中心としたサウンドを楽しめるCDをセレクトしました。
夜のやさしい静けさに寄りそってくれるピアノ
まずはコンポーザー・ピアニストとしてさまざまな美しい作品を作り出してきた榊原大の『natural』からです。第1曲の「やさしい時間」は、さっそく美しい情景をイメージさせてくれるのと同時に、よりそってくれるような旋律とハーモニーによって疲れた心や体を癒してくれる空間へと誘ってくれます。
またちょうど中間にある「夜想曲―6月―京都」、最後に置かれた「夜想曲―3月―」と二つの夜を描いた作品は「夜」という特別な時間だからこその静けさ、そして期待感といったものが感じられます。前者はチェロ、後者にはウッドベースも加わっており、あたたかく丸みを帯びたサウンドが響くことで深い安心感に浸ることができます。
ギターの音色が呼び起こす懐かしく、幸せな情景
2枚目はギターのあらゆる可能性を引き出してきた木村大の『memory-go-round』です。通り過ぎていった出来事、時間に想いを馳せて生まれた楽曲が収録されており、優しく語り掛けてくるような旋律とカラフルなハーモニーは、お聴きになるみなさまにとっても懐かしい何かを呼び起こすものとなるでしょう。
とくに「Returning Home」や「深霧の朝に」といった楽曲は、子ども時代の記憶を呼び起こしてくれます。あたたかく幸せな日々、大切にしていたことなどを改めて思い返すきっかけになるのではないでしょうか。そしてイングランド民謡《グリーンスリーヴス》はギターで奏されることによって、子守歌のように耳に優しく届いてきます。
演奏者同士の感謝、友情、愛が伝わってくる作品たち
3枚目はWヴァイオリン&ピアノによるインストゥルメンタル・ユニット「TSUKEMEN」の『時を超える絆』です。クラシックや洋楽アレンジなど多彩な楽曲が収められており、前回もご紹介しましたが、今回は彼らのオリジナル楽曲に注目していただきたいと思います。「旋律の彼方へ」、「ベストフレンド」、そして「LOVE YOU」の3曲は、それぞれのメンバーのために、ほかのメンバーが2人で共作するという愛にあふれた作品です。彼らの感謝や強い友情、そして思い出が詰まった楽曲は、聴き手にもさまざまな感情を呼び起こしてくれます。
きっとこれらの楽曲はみなさまに素敵な時間をとどけてくれるはずです。しっかりと疲れが取れたら、ぜひ次の日は大切なお友だちや仲間に連絡をとって、集まる機会をもってみてはいかがでしょう。それがまた次の活力を作り出してくれるはずです!
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