プレイリスト
2020.07.26
おはようバッハ—教会暦で聴く今日の1曲—第3回

「彼らみな汝を待ち望む」——三位一体後第7主日

音楽の父ヨハン・ゼバスティアン・バッハが生涯に約200曲残したカンタータ。教会の礼拝で、特定の日を祝うために作曲されました。
「おはようバッハ—教会暦で聴く今日の1曲—」では、キリスト教会暦で掲載日に初演された作品を、その日がもつ意味や曲のもととなった聖書の聖句とあわせて那須田務さんが紹介します。

那須田務
那須田務 音楽評論家 

ドイツ・ケルン音楽大学を経てケルン大学で音楽学科修士修了(M.A)。専門はピアノやオーケストラ等クラシック全般だが、とくにバッハを始めとするバロック音楽、古楽演奏。音...

ルネッサンス期リエージュの画家ランベール・ロンバール作『7つのパンと魚の奇跡』。

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今日、2020年7月26日はキリスト教暦の三位一体節後第7主日(日曜日)」。

先週に引き続き、1726年にライプツィヒの教会ために作曲されたカンタータ「彼らみな汝を待ち望む」をお送りします。前回ご紹介した「満ち足りたやすらぎ、うれしい魂の喜びよ」を書き終えてから、わずか一週間でまた新しいカンタータを仕上げなければならかったのですから、バッハは大忙しです。

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その年の三位一体節後第7主日(8月4日)に朗読されたのは新訳聖書「マルコによる福音書」第8章の1-9。ここに書かれていることは、イエスが説教や奇跡を行なっていると、たくさんの人が集まってきました。皆お腹がすいていますが、パンは7つしかありません。それでもイエスは感謝の祈りを唱えて、わずかな小さな魚と一緒に配らせると、すべての人が満腹になった上にまだたくさんパン屑が残ったというものです。

08:01そのころ、また群衆が大勢いて、何も食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。 08:02「群衆がかわいそうだ。もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。 08:03空腹のまま家に帰らせると、途中で疲れきってしまうだろう。中には遠くから来ている者もいる。」 08:04弟子たちは答えた。「こんな人里離れた所で、いったいどこからパンを手に入れて、これだけの人に十分食べさせることができるでしょうか。」 08:05イエスが「パンは幾つあるか」とお尋ねになると、弟子たちは、「七つあります」と言った。 08:06そこで、イエスは地面に座るように群衆に命じ、七つのパンを取り、感謝の祈りを唱えてこれを裂き、人々に配るようにと弟子たちにお渡しになった。弟子たちは群衆に配った。 08:07また、小さい魚が少しあったので、賛美の祈りを唱えて、それも配るようにと言われた。 08:08人々は食べて満腹したが、残ったパンの屑を集めると、七籠になった。 08:09およそ四千人の人がいた。イエスは彼らを解散させられた。

新共同訳聖書より「マルコによる福音書」第8章の1-9

2部全7曲、ソプラノ、アルト、バスの独唱と合唱、2つのオーボエと弦楽と通奏低音からなります。バッハが選んだ台本は新旧約聖書のさまざまな箇所から採られていますが、どの曲にも朗読の内容を示唆する言葉が引用されています。

神を待ち望む人々の晴れやかな気分に満ちた冒頭の合唱に続いて、バスが「この世のすべての被造物を養うのは誰かと」問うと(第2曲)、「それは神であるあなたのみ」とアルトがダンス風のアリアを歌います(第3曲)。

第2部に入ると再びバスが、「天の父はあなた方の求めるものを知っているのだから、何を食べようか、飲もうかなどと思い煩ってはならない」というキリストの言葉を伝えます(第4曲)。そこでソプラノがアリアとレチタティーヴォで、そんな神への幼子のような信頼と感謝を表明(第5・6曲)。最後に今ふたたび、合唱で神への感謝のコラール(プロテスタント教会の賛美歌)を唱和して曲を閉じます。

那須田務
那須田務 音楽評論家 

ドイツ・ケルン音楽大学を経てケルン大学で音楽学科修士修了(M.A)。専門はピアノやオーケストラ等クラシック全般だが、とくにバッハを始めとするバロック音楽、古楽演奏。音...

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