2020.01.17
おやすみベートーヴェン 第33夜【ボンでの少年・青年時代】
「喜びの手もてグラスをあげよ(別れの酒の歌)」——ウィーンに旅立つベートーヴェンの送別会で歌われた?
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ウィーンに旅立つベートーヴェンの送別会で歌われた? 「喜びの手もてグラスをあげよ(別れの酒の歌)」
別れに際して酒を飲みながら歌う歌。
1791年あるいは92年ころの作曲と推定されているが、作詞者は不明で、ベートーヴェン自身の作詞の可能性もある。となれば、1792年11月にウィーンに出発する前にボンの友人たちや宮廷楽士たちと歌ったのかもしれない。やや自由な変奏有節形式で作られていて、独唱のあと、詩の後半を皆で合唱するという、当時の典型的な「酒飲の歌」の形式をとっている。
「グラスをあげよ、喜びの手で、飲もうではないか、快活に。固い絆で結ばれた友情を、たとえ運命が分けようとしてさえ。友情の心を曇らせてはならぬ、兄弟よ、快活に。さあ飲もう、かかげよグラスを高々と、そして、歌おう兄弟たちよ、声高々と。たとえ運命が僕らを分けようと、真の友情は分かたれはしない」
解説:平野昭
軽快な歌で、お酒の場が盛り上がりそうですね。ベートーヴェン・イヤーの今年、飲み会に取り入れてみるのもよいかもしれません。
作品紹介
「喜びの手もてグラスをあげよ(別れの酒の歌)」WoO109
作曲年代:1791/92年?(ベートーヴェン21/22歳?)
出版:1888年
作詞者不詳
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