2020.03.04
おやすみベートーヴェン 第80夜【天才ピアニスト時代】
「弦楽五重奏曲 変ホ長調」——ボン時代の作品を、ハイドン師匠から学んだ洗練された表現に
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ボン時代の作品を、ハイドン師匠から学んだ洗練された表現に 「弦楽五重奏曲 変ホ長調」
ボン時代の最後の時期、1792年夏以降に作曲し、1793年にウィーンで改訂したハルモニー編成の八重奏曲 変ホ長調《パルティア》Op.103(初版は1830年)を、1795年にヴァイオリン2、ヴィオラ2とチェロのための弦楽五重奏曲に改作したもの。
自作の編曲と呼ばれることがあるが、音楽的な内容は原曲のもつ野外で演奏するセレナーデ風、あるいはディヴェルティメント風な風情はなく、師ハイドンから学び取った盛期古典派様式の室内楽として、洗練された表現に仕立て直されているので、改作と言ってよい。
作品紹介
「弦楽五重奏曲 変ホ長調」Op.4
作曲年代:1795年改作(ベートーヴェン25歳)
出版:1796年
構成:
【第1楽章】アレグロ・コン・ブリオ
【第2楽章】変ロ長調のアンダンテ
【第3楽章】メヌエット
【第4楽章】急速なプレストのロンド・フィナーレ
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