2020.03.16
おやすみベートーヴェン 第92夜【天才ピアニスト時代】
「ピアノ・ソナタ第19番 卜短調」——弟カールの独断で出版されたお弟子さん向けソナタ
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
弟カールの独断で出版されたお弟子さん向けソナタ 「ピアノ・ソナタ第19番 卜短調」
ベートーヴェンはこれらを「作品番号付き」で出版するつもりはなかっただろう。出版は実弟カールの半ば独断で行われたようだ。カールは1802年11月23日、これら2曲をオッフェンバックの出版商アンドレに提供していた。結果的には1805年1月になってから、ウィーンの芸術工芸出版が「2つの易しいソナタ Deux Sonates faciles」Op49として出版したものだ。
――小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)145ページより
今日と明日の2日間にわたって紹介するOp49のピアノ・ソナタ2曲は、ベートーヴェンがお弟子さんのために作曲した、親しみやすい作品です。
この作品に関するエピソードは、週刊「ベートーヴェンと〇〇」vol.10 ベートーヴェンと分けられた(?)ソナタでも紹介しています。
作品紹介
「ピアノ・ソナタ第19番 卜短調」Op49-1
作曲年代:1796年2月、1797年〜1798年初頭(ベートーヴェン26歳、27〜28歳)
出版:1805年1月美術工芸社
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